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このキノコ人間が。  作者: 天城春香
誰かの日記
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2011年9月12日

※これは作者の日記ではありません。登場する人物・団体・企業は架空のものです。団体も企業も今日の分には登場しませんが。

9月12日(月)

 ゆらぎというものが人生を変えるとしたらそれはきっと傑作な幻覚であり、堂々巡りの末に出た結論としてはとても不適切とも言うことができるために日付が変わってからこの日記を書いている自分は本当は9月13日の人間なわけなんですが、どうにもこうにも腐っているような酒によっているような気がしてならない私の私の渡しの私の私の私の私の私の私の私の私の私の太くの致す所にも大腸菌が至るところに至っていたい、そう言う願いを思っていたところで不徳のいたすところだったりもするのかもしれないと考え


 上の段落は、自分でも何を考えて書いてあるのか分からない。晩のキノコを食べて狂った状態で文章を書くとこのようになってしまう。だから私はキノコを食べたくない。しかし家族からはキノコを毎日食べるように、と強要に近い形で暗に言い聞かされている。だから、家族の中で最も権利のない私はキノコを食べ続けるしかないのだ。


 今日も家族は帰ってこなかった。母も父も妹も、一体どこへ消えてしまったのか。警察に相談でもしてみようか、とも考えてみたが、警察に職業を聞かれたときに、私はきっと黙り込んでしまう。それが事実であるくせに、私は自分が狂った無職の人間であることを他人に話すことを恐れているのだ。生意気にも。


 昼間、ハローワークへ行こうとした。しかし、自分に一体何の仕事ができるのか考えをめぐらせてみたところ、上のような文章を書いてしまうほど狂っている自分にはきっと何もできないだろう、そう思ってしまったため、私は家から出られなかった。そこを我慢するのが社会人というものだ、ということは頭では分かっている。しかし、体が動かないのだ。実際に無能であるくせに、無能であることを社会から指摘されることを恐れているのだ。これは狂っているとかいないとかではなく、単に私が臆病なだけである。

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