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このキノコ人間が。  作者: 天城春香
誰かの日記
279/366

2012年5月19日

※この作品は作者の日記ではありません。

5月19日(土)

 一生忘れられないほど衝撃的な一日を一冊使って描いた小説はいくらでもある。そんなに密度の高い一日を過ごす人間は、現実にはほとんどいない。しかし人はそんなフィクションの中にも「リアル」を感じ取る。この小説にはリアリティがあるとかないとか、そんなことを言う。けどそんなことを行っている人の一日は大体数行程度で書けてしまうことが多い。それでも一日を一冊使って描いた本はリアルと言えるのだろうか。


 そんなことを考えながら、図書館に行った。今回借りていた小説は、どれも物語内で一日以上の時間が経過するものばかりだった。「灼熱の小早川さん」なんかは一冊で一年以上経過してしまったりしている。それって人生が薄い、ということになるのだろうか。それとも一年が濃い、と言い表すことができるのだろうか。


 晩餐は普通に食べた。今日は何の非現実的なことも起こらなかった。ゾンビもキノコ人間も百合心音も榎本なごみも小説をかく私も、今日の日記には登場しない。非常に密度の薄い一日である。そんな一日をこんな行数を使って書いている私は、一体どれだけ回りくどいことをしているのだろう。自分が少し嫌になる。しかしものすごく嫌にはならない。狂っているくせに。

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