表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このキノコ人間が。  作者: 天城春香
誰かの日記
275/366

2012年5月15日

※この作品は作者の日記ではありません。

5月15日(火)

 週に一度、たった三時間の仕事とはいえ疲れるものは疲れる。疲れた私は飲酒をした。その結果、深夜になるまで日記を書く事を忘れていた。いつものことだがこの日記は考えながら書いているのできっと文章はとっちらかっている。たまに書く小説以下の文章力を用いて書かれていることになる。全く気合を入れていない。そもそも日記に気合を注入する人種がこの世に存在するのか、という点が疑問ではある。


 仕事先では今週も百合心音が一番偉そうな席でドンと構えていた。私たち下っ端は百合心音に監視されるような感じで業務を続けていた。私の仕事は例によってエクセルになんだかよくわからない数値を入力するという仕事だった。百枚程度が束になっていて、およそ二週間でひと束片付ける、というペースで続けている。ところが今週は百合心音の席に異変が起こった。仕事場に半裸でマッチョなキノコ人間が現れ、百合心音の席に向かったのだ。百合心音はキノコ人間を導くようにして立ち上がり、奥の存在感の薄い扉にキノコ人間を導くようにして入っていった。そして数分後、キノコ人間は両手一杯にキノコが満載されたビニール袋をぶら下げていた。そのキノコを用いて、どうやって世界を物語化していくというのか。知りたかったが尋ねなかった。キノコ人間と接触したくなかったからである。


 今日の晩餐にもキノコが出た。私はもう去年の8月からだから9ヶ月近くこのキノコを食べ続けているわけだが、一向に自信が物語化しているといった様子はない。やはりキノコを用いて世界を物語化するには食べる以外の方法を用いなければならないのだろうか。そう考えながら、文句ひとつ言わずに私はキノコ入りの晩餐を食べ終えた。いつものように食べ終えると頭がふらふらした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ