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このキノコ人間が。  作者: 天城春香
誰かの日記
268/366

2012年5月8日

※この作品は作者の日記ではありません。

5月8日(火)

 仕事へ行った。仕事先は通常通りに営業されていた。もうゴールデンウィークは終わったのだ、とやっと痛感することができた。休みが続くとこれだからいけない。ずっと休日が続いている気分になる。それを断ち切るためにも、働き始めたのは正解だったのかもしれない。しかし仕事自体は楽しくもなんともなかった。仕事が楽しかったらこの日記は仕事に関することで埋め尽くされていただろう。仕事内容は紙に印刷された資料をエクセルに入力していく単純作業だった。こんなこと猿でもできる。しかしこんなことよりもっと高度なことをやっていた作家の猿は今やただの猿である。その原因は百合心音が流通させているらしいキノコである。


 仕事中、何度か私の上司に当たる正社員らしき人物が、さらに上司に当たる百合心音に対して「お母さん」と呼びかけているのを耳にした。なんども聞いたのできっと空耳ではない。榎本なごみにとっても百合心音はお母さんで、ここの社員にとっても百合心音はお母さんであるらしい。では私もお母さんと呼ばなければならないのだろうか。


 仕事終わりに百合心音にこっちに来るよう命じられた。「ちょっと念を押しておきたいから」と百合心音は言った。誰にだろう。「キノコ人間に」そのキノコ人間に何の用があるというのだろう。キノコを配り歩いているあたり、百合心音の部下ではないのだろうか。「ありがとう、って、伝えておいて」思い出した。昨日も思ったが、なぜ謝礼を言わなければならないのだろう。「いつもキノコを配ってくれてありがとう、って」百合心音とキノコ人間はどういった関係なのだろうか。「仲間よ」なんだ、対等な関係だったのか。

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