表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このキノコ人間が。  作者: 天城春香
誰かの日記
267/366

2012年5月7日

※この作品は作者の日記ではありません。

5月7日(月)

 夢に見たキノコ人間が現実に現れた。この事例が今後も起こるとすれば、有効活用できるのではないだろうか。例えば、都合のいい夢を見てそれが具現化されて現実が都合が良くなる、とか。そう考えて昨日は都合のいい夢を見るよう念じながら眠ったのだが、残念なことに見た夢を少しも覚えていない。人間は眠れば必ず夢を見るという。夢を見ていないと感じるのは夢を見たという事実すら覚えていないのだとか。私は夢を見たことすら覚えていない。世の中は都合が悪く出来ているようだ。


 是非とも会いたいわけではないが、キノコ人間を目撃できるかもしれない、と思って外をさまよい歩いていたら視界の端にきのこ人間の姿が写った。今まさに道を曲がろうとしていた。私はこっそり近づいて、キノコ人間の後ろ姿を見た。見事なブーメランパンツで、尻の割れ目が見えない絶妙な位置でそれはとどまっていた。私はそれ以上の深追いはしなかった。別にかかわり合いになりたいとか、そういうわけではなかったからだ。


 晩餐の直前、電話がかかってきた。私が出ると百合心音からの電話だった。「伝言を伝えて欲しいのよ、キノコ人間に」キノコ人間というのが正式名称なのか。「ええ、そうよ。架空から現れた存在だからね、名前も架空の産物に近いの。伝えて欲しい内容はね、キノコをありがとうって」それを、今度キノコ人間に会った時に伝えればいいのだろうか。「ええ、そうよ」私としては少しもありがたいとは思えなかったが、上司からの頼みだったので私はそれを断らなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ