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このキノコ人間が。  作者: 天城春香
誰かの日記
263/366

2012年5月3日

※この作品は作者の日記ではありません。

5月3日(木)

 そういえば昨日は病院に行き忘れた、ということを思い出した。母も猿が来るという重大事に気を取られていたのでそのことを忘れていたらしい。なので予約を取り直して、今日病院へ行った。いつもより長く待たされ、診察はいつもどおりに終わった。そして帰りに薬を受け取った。昨日一日薬を飲まなかったけど大丈夫でしたよ、と医師に言うと、「血管中に血液の成分が流れている間であれば、一日くらい薬を抜いても大丈夫なものなんですよ」と返された。飲む意味あるんだろうか。私は改めて処方されている薬の有用性を疑った。


 帰ってくると、女性編集者から電話があった、と母から連絡があった。「小説はいつ頃完成になりますか」と確認してくれ、とのことだという。「できれば、今年中に完成させてください」とも言っていた、らしい。今年中であれば必ず完成する、と私は返した。明日は小説を書こう、と私は心に決めた。今日は病院まで歩いて疲れたから無理だ。なんて体力のない奴なんだ。


 晩餐にはキノコが入っていなかった。「あんた、キノコがあってもなくても、結局狂ってるって認定され続けることに変わりはないんでしょう?」確かにそのとおりである。どうしても狂っていないふうに見えるのであれば、2年に一度行われる福祉の更新の際にキノコを食べさせればいい。母はそのことに気づかなかったのか。「スーパーに行ったけど、キノコ売ってなかったのよ。これからはちょっとキノコを節約するから」溜め込んでいたキノコは、昨日猿に饗されたキノコ料理のせいでかなり目減りしていた。

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