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このキノコ人間が。  作者: 天城春香
誰かの日記
241/366

2012年4月11日

※この作品は作者の日記ではありません。

4月11日(水)

 職業訓練所へ向かうと、そこでは何も言わずに私は事務所に通された。そしてそこで責任者(なぜか所長とは名乗らなかった)と呼ばれている人物と話し合いを行なった。その内容は詳しく覚えていない。とにかく私が弱音を吐いて、責任者がそれを聞いていたことだけは覚えている。その結果として、私は職業訓練所には向いていない、という結論に達した。登録の際に支払われた訓練費も全額返却されるらしい。何もやっていないのだから当たり前か。いや、当たり前などと思ってもいけないのかもしれない。私は母を失望させるようなことをやってしまった。このことを恥じなければならない。


 なぜなら恥じなければ母が失望して今日も食事を饗してくれない可能性があるからである。私はこの日記に綺麗事を書くつもりはない、自分しか読まないのだから自分が本当に感じたことのみを記すつもりである。私は母を失望させた。しかし食事は出して欲しい。それが私の欲求である。結局、職業訓練所には三日しか通わなかった。三日坊主、そんな言葉が頭を去来する。


「これで小説に集中できるな」晩餐を終えた私の頭の中で狼がまたそんなことを言っている。そういえばまた日にちを開けてしまったのか。文章を書き始めてこのかた、二日続けて文章を書いたことがない。書くべきだろうか。それとも、そんなことより夜になっても職業訓練所をやめてしまった反省を続けるべきだろうか。迷っている間に深夜になってしまい、今日はもう書けなくなってしまった。狼は怒ってるだろうな。起こるのが仕事らしいし、あいつ。

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