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このキノコ人間が。  作者: 天城春香
誰かの日記
232/366

2012年4月2日

※この作品は作者の日記ではありません。

4月2日(月)

 机が送られてきたことで格段にパソコンが使いやすくなったのだが、これはいったい誰が送ってきたものなのか、という疑問は残る。この疑問が残る限り、私は安心してパソコンを使い続けることは出来ないだろう。いつか代金を請求されるかもしれないし。相変わらず金など一線も持たされていない私には支払い能力などもちろんないし、母に泣きついても支払ってはもらえないだろう。私の親はそんな親だ。


 郵便受けを覗くと、何も届いていなかった。宮崎の家庭にはチラシなどというものは届かないのである。人口が少ないし、ピザ屋も不動産屋も少ない。新興宗教の施設は多いが、勧誘のチラシはめったに届かない。これを指して母は「寂しい」と言ったことがある。母は以前東京に住んでいたことがあって、その際は毎日処理に困るくらいのチラシが届いていたのだそうだ。そのおかげで寂しくなかった、というのであれば、それはちょっと寂しすぎる人生だ、と私は思う。


 晩餐が終わると同時に電話がかかってきた。聞き覚えのある声、女子高生のものである。「机の使い心地はいかが?」やはり机を送ってきたのは女子高生なのか。一体何があってこんなことをしたのか。「不満?」不満はないが不審な気持ちは残る? 「私はあなたことをなんでも知ってるんだよ」女子高生は不気味なことを言い出した。「私は榎本なごみだからね」だから何なんだ。代替わりでもするつもりなのか。

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