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このキノコ人間が。  作者: 天城春香
誰かの日記
217/366

2012年3月18日

※この作品は作者の日記ではありません。

3月18日(日)

 このところずいぶん睡眠時間が長い。医師は十二時間以上寝ると気分が落ち込みやすくなるから適度に起きておくように、と言っていたが、しかし眠い。なぜって、何もやりたくないからだ。狂い始めて年が明けて一億円もなくなって、私は気力が尽きかけていた。そこへ電話が鳴った。母が出た。そして私に代われと言った。「今回は、ご縁がなかったということで」不採用の通知の電話だった。


 母は言う。「月曜日に担当の人が出勤するんでしょ。また行きなさい」また面接を受けなければならないのか。「ならないのよ。私の仕事がうまくいっていないし、あんたも働かないと社会復帰できなくなるかもしれない」社会復帰。それって本当に必要だろうか、などと考え始めてしまった私はいよいよ末期だ。何の末期なのか。人としての末期なのか。そんなことを考えている間も狼が「働きたくないなら働かなくて済むように賞取れる小説書けよ」としか言わない。


 あまりにも狼がうるさいのでどうにかしたい、と晩餐を食べながら榎本なごみに相談してみた。「うーん、難しいですね。あの狼は私と同様、あなたの頭が作り出したものですから。あなたの近親者は認識できることがあるかもしれませんけど、基本あなたにしか見えないんですから、他人に相談するわけにも行きません。あなた自身で解決しなければなりません」じゃあ榎本なごみにどうにかすることは出来ないのか。「私が何かする必要あるんでしょうか? 小説を書けばそれは何も行って来ないんでしょう?」確かにそうだが。私は納得がいかなかった。どうも最近自分勝手になっている。

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