表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このキノコ人間が。  作者: 天城春香
誰かの日記
213/366

2012年3月14日

※この作品は作者の日記ではありません。

3月14日(水)

 面接官は態度だけは優しかった。「うちは大丈夫ですよ」「無理はさせませんからね」しかしそれと最八日夫妻八日は別である。企業イメージというものがあるから。むしろ優しく接されたほうがさっさと追い返そうという意思があるのでは、と疑ってしまう。面接時間もそんなに長くなかったし、だいたい不動産屋で線画に色を塗る仕事ってなんなんだ。肝心なそこを質問したかったが採用に関わりそうだったのでできなかった。一体何のための仕事の面接を受けたのか。つくづく疑問である。


 面接が終わったので本屋に寄って帰ることにした。一億円は結局ほとんど使いきれないまま、失効まであと二日となってしまった。とりあえずの贅沢としてハードカバーの本を五冊ほど買った。しかし図書館で借りた本も家にあるのでしばらく読まないと思う。ところで一億円が執行したら、一億円を使って買ったものはどうなってしまうのだろうか。もしかして使った分だけ請求されたりするのだろうか。だとしたら恐ろしい。そうでないことを私は祈った。


 晩餐の席に狼が現れた。母は皿にチャーハンを盛り付けてそれを狼に与えた。狼はチャーハンを食べ終わると、「そろそろ小説書いてもらおうか」と言った。狼が言うのはそればっかりなのか。「それを言わせるために生み出したんじゃないんですか?」頭上の榎本なごみは言う。そういえばそうか。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ