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このキノコ人間が。  作者: 天城春香
誰かの日記
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2011年8月16日

※これは私の日記ではないことを明言させて頂きます。又、登場人物、又は私が完全に狂った場合、連載を終了とさせていただきます。ご了承ください。

8月16日(火)

 母は通訳の仕事を続けている。父はどうなっているのか、最近音信不通なので分かっていない。とにかく働こうとすれば必ずといっていいほど断られるほど狂った私にとって、親の存在は生命線である。つまり私はいわゆるニートと呼ばれているものに分類される、ということになる。不本意ではあるがそれが真実となってしまうのだから仕方がない。そんなわけだから、当然近所づきあいなど全くといっていいほど私には無い。ではどうやって一日を過ごしているのかと言うと、恐らく世の大多数のニートと同じである。何もやっていない。いつか罰が当たればいいと思う。親が死ぬクラスの罰が当たればいいと思う。


 父は音信不通であると書いたが、別に行方不明なわけではない。私個人に対して音信不通なのである。狂った私に対し、全くコンタクトを取ろうとしない。つまり私は肉親に無視されているのである。それほど狂うということは罪深いのか、と考えたが、確かに罪深い。親は私が生まれたとき、きっと私に期待をかけただろう。将来は狂った人間にきっとなれよ、とは間違っても願わなかっただろう。私は死んだほうがいいかもしれない。ああ、嫌になる。こんなことに対する意見ばかりが正常だ。


 明後日は人と会わなければならない。私のように狂ったもの同士が保健センターのサロン(なんという言葉を使うのだ)に寄り集まるのである。寄り集まって何をするのかと言えば、なにも建設的行為を行わないのだから困りものである。とにかくひどい。何も起こらない、という事実がひどい。そんな集まりがあさってに控えている。


 昨日書いている途中に書くことを忘れてしまっていたが、私が狂っている原因とは何だろう。ところで突然話は変わるが、今日の晩餐として饗された牛丼にも、無味の私の知識には無いキノコが入っていた。私はこれを食べた。母親が作った牛丼に入っていた無味のキノコを食べたのである。なぜなら、私に食事を残す権利など無い。狂った人間が親に逆らうと社会的制裁を食らうのである。根拠は無いがきっとそうだ。ところで私が狂っている原因とはなんだろう。

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