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このキノコ人間が。  作者: 天城春香
誰かの日記
181/366

2012年2月11日

※この作品は作者の日記ではありません。

2月11日(土)

 フェティッシュという言葉の正しい用法が分からない。狂っている人間のことをフェティシストと呼ぶ、でいいのだろうか。ということは薬がなければ狂いっぱなしの私はフェティシストなのだろうか。しかしこれといったフェティッシュな趣味を私は持っていない。むしろ変態的な性癖を目にすると気分が悪くなって性欲が減退する。フェチを持つ人物のことはフェティシストではなくフェチストと呼ぶのではなかったか。ネットで調べもせずに私はそんなことを考えていた。それもこれも母に「これからどうやって生きてくつもり? 私だっていつまでも生きてるわけじゃないのよ」と言われたからである。言っていることはよくわかる。薬を抜かなかったことを悔やむほどよく分かる。けれども。しかし。思いつかないのだ。


 創作トキワ荘に入るつもりはない、と母にはっきりと伝えた。「あら、もったいない」家から追い出されるのはまあ迷惑だからだろうということで納得は行くが、追い出されて向かう先があの気色の悪い仲間意識とどう考えても鍛錬とは思えない「創作鍛錬の時間」で構成されている創作トキワ荘なのは嫌だったからだ。「でも、家に閉じこもってたら気色悪いと思う人とも出会えないわけでしょう? それって、なんだか人として弱っていっていると思うんだけど」確かに私はここ数ヶ月で人として弱っているが、それでも創作トキワ荘は嫌だった。だから強固に拒絶した。


 晩餐の席で、「じゃあ、創作トキワ荘以外で人とで得るところを捜しなさい。せっかくネットがあるんだから」と言われてしまったので、仕方なく近所で寄り集まって何かをやるところを探そうとした。が、検索ワードが思いつかなかった。「○○市 集まり」などという検索ワードでいい寄り集まり場所が見つかるわけがない。仕方がないので週明けにでも保健センターに相談に行ってみることにした。サロンは利用していないくせに保健センター窓口は利用しようとしているのである。これって利用者として悪質だろうか。

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