2012年1月22日
※この作品は作者の日記ではありません。
1月22日(日)
今日から文章を書き始めた。くり返し書くが、今回は小説と呼べるものを書くつもりで挑む。しかし題材は吸血鬼と死神のコラボである。もう誰かが既に書いているような気がするが、どこへ公開するわけでもないので別に構わない。こんな話を書いた。主人公は吸血鬼であることを隠している吸血鬼。この人物の一人称で話は進む。舞台はありがちだが学園である。王道は強いのである。ある日吸血鬼は努力の末に彼女を作ることに成功する。しかし彼女は日が沈むと必ず帰ってしまう。夜まで一緒にいたい、そしてもう一歩進みたいと思っている吸血鬼の男には鬱憤などが溜まっていく。当然彼女の正体は死神である。吸血鬼と死神の話、と最初に決めておいたのだから。
吸血鬼は基本的に殺されない限り不死身、の筈である。だから死神の管理の範疇外にある、とかそういった感じの設定を盛り込もうとトイレで考え込んでいたら、そのことに集中しすぎてトイレの盛り塩に足をぶつけてしまう、盛大に盛り塩をトイレに散らかしてしまった。いそいでティッシュを数枚使って塩をかき集め、トイレに流した。
「誰か来てますね」と榎本なごみが言う。「トイレに、何かお行儀の良くない私の仲間が来ている、そんな感じがします」早速悪霊でも出たのか、と思っているとトイレから妹の悲鳴が響いた。何事かと思ってリビングに耳をすませていると、妹は母に、トイレの壁に顔が現れた、と報告した。しかもその顔は父にそっくりだったという。私も自分の部屋を出て、塩を持ってそれを盛ったらんと考えてトイレに入った。なるほどトイレの壁には父によく似た人間の顔が張り付いていた。しかもニヤついているのだから気色が悪い。
盛るために塩を使い切ってしまったので私が責任もって塩を買いに行くことになった。晩餐はそのあと、である。久しぶりに金を貰ったがその額は百六十円である。例えチロルチョコ一個買ったとしても、塩の値段に足りなくなってしまう金額だった。私のような狂った人間に余分にもたせる金は一切ない、ということか。本当に、友好的になったのは態度だけのようである。