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このキノコ人間が。  作者: 天城春香
誰かの日記
138/366

2011年12月30日

※時間的には年内最後の更新となると思いますが、この物語はフィクションであり、作者の日記ではありません。

12月30日(金)

 結局私は榎本なごみとも猿とも一緒に初詣に行くことに決めた。そして二人に(一人と一匹に)メールを返信した。数分後、メールが返信されてきた。榎本なごみからは、一日の初日の出を宮崎神宮で迎えましょう、といった内容のメールが書かれていた。猿からは、日付と場所はそちらで指定していただいても結構ですが、いかがですか、といった内容にメールが帰ってきた。私は猿との初詣を二日と決めて時刻と場所も指定してメールを返した。私が狂ってからこんなにもメーラーがフル活用されたことなどなかったのではないか、というくらい、今日はよくメールを書いた日だった。と言っても実質三通程度だが。


 その勢いで文章の続きも書いた。こんな内容だ。女の提案通り、逃亡者の男とそれを追う男は場所限定の鬼ごっこを開始した。逃亡者の男が山に入っていって一時間後に鬼ごっこは開始され、追う男が山に入っていった。そして数時間後、日は落ち、逃亡者を追う男は危機に陥っていた。熊と対峙していたのである。追う男は生まれてこれまで夜の山に入ったことがなく、くまと出会ってしまった際の正しい対処法を知らなかった。というところまで書いた。最初に予想していた方向とは全く違った方面に話が転がってしまっているのがはっきりと分かった。


 明日の晩餐はきっとキノコ入りの蕎麦だろう、などと予想していると、今日の晩餐に蕎麦が出された。もちろん蕎麦にはキノコが入っていた。そして味がなかった。この設定をどうにかすることは出来ないのか。今まではパソコン内の設定を変更するたびに、現実のどこかに変更が加えられていた。そこで晩餐が終わり、晩餐後の気絶から覚めた私はパソコンを開き、メールが届くたびに音が鳴るように設定した。音はデフォルトのそれである。これで世界は何か変更されるのか、明日になってみなければわからない。そういえば蕎麦でも思い出さなかったが明日は今年最後の日か。なんの起伏もない日が続いたのでなんの感慨もない。

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