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このキノコ人間が。  作者: 天城春香
誰かの日記
134/366

2011年12月26日

※年の瀬ですがこの作品はフィクションであり、作者の日記ではありません。

12月26日(月)

 爆発音がした。と思ったら私の絵やの扉が叩かれる音だった。寝ていたために夢でそんな音がしたのだと勘違いしたのである。起き上がってみると時刻は朝だった。朝に目覚めるなんて何日ぶりだろう。確か引越しの日は朝に起きた気がするので、総感覚は空いていない。ずいぶん経ったと思ったが、引っ越してからまだ二ヶ月も経っていないのだ。いや、経ったか。もう引っ越したのが何日前なのかわからない程度に、私は新しいマンションに慣れていた。とにかく誰かが扉の向こうから私を呼んでいるのは確かだったので、私は部屋を出てリビングに入ってみた。すると食卓の上でスープが湯気を上げていた。母が「飲め」と言うのでスプーンを使って飲んでみると、それはキノコのスープで、味がしなかった。


 それから夕方まで私は腹痛に襲われ続け、ずっと横になっていた。変な夢も次つにに見た。黄色い鳥がだんだん変形してうわつぐばみになっていく夢、ほんさずを通さずにえくとおさずに加工してしまったため地獄を見る夢、シンパシーを感じたと思ったら相手はふへやをざるだった夢などなど、きっと読み返しても単語の意味がわからないであろう夢ばかり見た。そのどれもが悪夢と呼んで差し支えないものだった。なにせ意味不明なのだ、悪夢以外のなにものでもないだろう。


 ようやく起きられるようになったので起きてリビングに入ってみると、晩餐が用意されていた。寝ているうちに空腹になっていたので私はそれを食べた。晩餐にももちろんキノコが入っていた。母はどれだけ私を狂わせれば気が済むのだろう。尋ねてみた。「もっと本が売れて、生活が楽になればねえ」それまで私は狂い続けて福祉を受け続けることを要求されているらしかった。

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