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このキノコ人間が。  作者: 天城春香
誰かの日記
114/366

2011年12月6日

※この作品は作者の日記ではありません。

12月6日(火)

 インターネット調べによると歩こう会は月曜から土曜までやっていて、日曜と水曜が休みらしい。つまり今日もやっているらしいとのことなので、今日は歩こう会へ住所変更の連絡とその他確かめたいことを確かめるために向かった。到着すると昨日と同じ私の担当者を名乗る人物が現れた。しかし今日は相談室には連れて行かれなかった。他の人がほかの担当者と相談中なので使えない、のだそうだ。住所が一軒家からマンションに変わったことを伝えると、書類を手渡されたので、私はそれにマンションの住所を書き入れた。それから昨日は入らなかった談話室なるところに入ってみたのだが、そこでは数人のぱっとしない見た目の、おそら私と同じく狂っていると思われる若者たちが知らないアニメの話題で盛り上がっており、入りづらかったので私はすぐに帰った。


「それは大変でしたねえ」帰ってくるとリビングで榎本なごみが煎餅を食べており、どこへ行っていたのか尋ねられたので答えるとこんなことを言われた。「本当に登録してよかったんでしょうか?」私は登録した覚えはない。「そうですか。でも、世界って自分の知らないところで大半が動いてるものですからね」それでも少なくとも自分が触れる範囲くらいは自分で把握しておきたいものである。


 晩餐の席で榎本なごみが「ちょっと帰っていいですか」と私に尋ねた。私にそれを止める権利などあるものか。榎本なごみは部屋から出ていった。晩餐が終わってキノコのせいで倒れて深夜に起きてこの日記を書こうとすると、榎本なごみが私の布団の隣に自分のものらしい布団を敷いて寝ていた。どうやら自分の布団を取りに一旦帰ったらしい。帰った、のか。今の榎本なごみには自宅が存在するのか。だとするなら、どうして私なんかにかまうのだろうか。

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