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このキノコ人間が。  作者: 天城春香
誰かの日記
113/366

2011年12月5日

※この作品は作者の日記とは違います。

12月5日(月)

 朝から起きていなければならなかった。こんなこと二日連続である。昼前に起きるような生活を続けていた身にはつらいものがあるが、そこは仕方がないだろう。なにせ回線工事人が来るのだ。起きずにいるわけにはいくまい。インターネットは重要である。


 回線工事人は予定していた時刻通りにやってきて、私の部屋になぜかあった電話線にモデムを設置し、帰っていった。それから昨日母に渡されたインターネット接続マニュアルとインターネット接続ディスクを駆使し、2時間ほどかかってインターネットに接続することに成功した。私はパソコンの扱いが上手いわけではないので、この程度の時間はかかるのである。インターネット内の話題は、一日空けただけなのに大きく変わっているようだった。しかし違和感に戸惑うよりも、インターネットに無事接続できたことの喜びの方が大きかった。


 インターネットでしばらくいつも見ているサイトを巡回しているうちに、歩こう会のことを思い出した。早速「歩こう会」と検索してみると、近所にそのような団体が存在していることがわかった。地域活動支援団体、と銘打っていることもわかった。今日ものその会は相談室と談話室を完備して開かれているらしい。もう午後3時だったが、私はそこへ向かうことにした。近かったし。


 到着してみると、そこはいかにもボランティアがやっていそうな感じの垢抜けない雰囲気のカフェで、その奥から私の担当者を名乗る人物が現れ、私は相談室に連れて行かれた。「何か言いたいことがあるんじゃない?」と妙なフレンドリーさで私の担当者は言った。どうして自分がここに受け入れられているのか、と訪ねてみた。「登録したじゃない」と担当者は身に覚えのないことを言った。それから私は帰った。母に訊いておきたいことができたからだ。


 晩餐の席で早速訪ねてみた。すると母は自室に戻り、登録書を持ってきて私に見せた。その紙には確かに私の筆跡で私の住所氏名年齢この施設を利用したい理由などが書き込まれていた。「住所変わったから、今日行ったのなら、それを報告して欲しかったんだけど」と母は言った。今日はもう晩餐に出されたキノコを口に入れてしまっていたから、明日に回すしかなかった。

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