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このキノコ人間が。  作者: 天城春香
誰かの日記
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2011年11月23日

※この作品は作者の日記ではありません。

11月23日(水)

 ところで私はこんな日記帳に生き恥とも呼べる生きざまをさらして、いったい何がやりたいのだろう。自分が書いている日記の存在意義について疑問に思えてきた。が、すぐに思い直した。意義なんてない。暇だからやっているだけなのだ。狂いが治ってまた仕事を始めれば、私は日記を書かなくなるだろう。


 祝日である。そんなめでたい日に、私は榎本なごみに襲われた。気が付けば、榎本なごみは私の首を絞めていた。絞めながら榎本なごみは言った。「今、死にたいって思ったでしょう。思いましたね?」自分がどうして抵抗しないのか、自分でも不思議だった。きっと死にたかったからだろうな、と客観的に予想することは、今ならできるが、その時の自分の心の内が分からない。


 ふと気が付けば、私は昼寝をしていた。隣に榎本なごみが寝ていた。私が目覚めると同時に榎本なごみも目を覚まし、「ご家族はどこかへ出かけましたよ」と教えてくれた。私は榎本なごみに殺されかけていたはずではなかったか。「そう思うんでしたら、殺されかけていたんじゃないですか?」どうして急に態度が投げやりになるのか。


 帰ってきた母により晩餐として出されたのは、出かけた先で買ってきたというたこ焼きだった。もちろんキノコも添えられていた。私は黙ってキノコを食べようとしたが、食卓の正面には榎本なごみが座っていた。榎本なごみは今日も何も食べる様子を見せなかったので、私はためしにキノコを差し出してみた。「いいんですか? じゃあ、いただきます」榎本なごみは私の手からキノコを食べた。そしてキノコをすべて榎本なごみに食べさせ、たこ焼きは自分で食べ終え、自室に戻ると私は狂って気絶した。なぜか。

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