理性を喰いつくす欲望
【悪魔も聖書を引用できる——】
衝撃のラスト!
最後に笑うのはいったい誰か!?
薬を飲ませ始めてから三か月が経った。麗子は食事の帰りに倒れるなど、ひんぱんに体調を崩すようになっていた。確実に、薬の効果が表れ始めている証拠だった。
拓海はミルク入りの紅茶に、慎重に薬品を垂らす。二滴にしたい衝動をぐっと抑える。焦りは禁物だ。佐藤が言うように、あまり早く死なれてしまっては困るのだ。
二人分の紅茶を乗せたトレイを持って麗子が待つ居間へ向かいながらも、美穂に会いたいという気持ちを抑えきれなかった。本来なら計画が完遂するまで会わないほうがいいに決まっていたが、彼女なしでこんな偽りの生活を続けていくのは不可能だった。
欲望は理性をいとも簡単に凌駕してしまう。数日前から美穂の体温を強く欲して以来、彼女のことしか頭に浮かばない。今では計画のことよりも、彼女に会うことのほうが最重要事項になっていた。
この抑えきれぬ欲望を鎮めるためには、危険を冒してでも彼女に会う以外に方法はなさそうだった。
※ポチッと評価、お願いします(^_^)v




