1.語り部の日常
この世界には“魔法”が存在していた。
魔法には“属性”というものが存在しており、個人個人にも生まれ持った“器”がある。その器と一致する魔法を使う且つ魔法のイメージを明確に想像できる者こそが、強い魔法使いであるのだ。
魔法は、“聖”から始まり、“光”と“闇”に別れた。そしていつしか…それぞれの適性に合わせ、分割していった。
“光”からは、“火”、“風”、“水”、“土”となり、“炎”、“雷”、“氷”、“栄”に。
“闇”からは、“療”、“打”、“幽”、“算”となり、“治”、“斬”、“呪”、“機”に。
長い長い時を経て、始まりの魔法である“聖”に近い器を持つ者は…伝説の救世主、クリスティーナ・ラグジュアル・サンスベリアに近い存在とされ崇められるようになったそうな。
そして、その伝説は様々な困難を掻い潜り、現代のこの世界にも…誰もが知っている神話として浸透している。
伝説は逸話となり、寓話とされ…、いつの日かある程度の人々は信じなくなった。クリスティーナ・ラグジュアル・サンスベリアなど、ただの御伽話の登場人物にしか過ぎない…と。
もちろん、信じている人々も大勢いる。
信じて信仰する者もいれば…いないとわかりつつも信仰し、安心を得ようとする者もいる。
まるで異世界のようだと思わないかい?
神様が本当にいるのかどうかもわからず、参拝やイベントを重ねる。きっと、どの世界でも本質は同じなのだろうね。
さて、この物語を続ける前に…話が逸れてしまったことをお詫び申し上げよう。わがままだが、君達の時間を無駄にはしたくない。
さあ、ここからは新しい物語の幕開けだ!
ーーーこれは…伝説の救世主であった転生少女と、普通の高校生だった転生少女が…、知らず知らずのうちに新しい伝説を作り紡ぐまでの物語ーーー




