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第四話:マッドサイエンティストという老害

第四話ではマッドサイエンティストが登場します。胸糞悪いキャラですのでご注意を。

 ユーロ統一帝国、ヨーロッパ諸国を統合し、誕生した。シドニー海戦の際、全アフリカ同盟帝国の領地を襲い、そのまま両国は戦争を始めた。隣国である中亜連合帝国とノースランド大帝国とも諍いを起こし、ユーラシア大戦が勃発。その長期にわたる戦争は四つの国力の持久戦となり、最終的にユーロ統一帝国だけが生き残った。

 しかし、戦争という病魔により残り三つの国には資源も枯渇し、領地も廃棄同然の朽ち果てた土地しかなかった。ユーロ統一帝国も元ギリシャ地区ZU―1番地しか居住区も存在せず、そのほとんどが三つの亡国からの唯一の戦利品である捕虜だけであった。

 以前までは戦争廃止させるデモもあったが、その戦争で死んでいった政治家全員に変わり、生き残った軍の上層部が政権を握り、圧政という鎮圧行動で黙らせた。

 故にZU―1番地の住人は上層部を中心とした軍人とあらゆる国が入り混じる貧民たちだけになった。その地の中心には塔の形をした軍事基地【軍人の柱(アレス・アトラス)】があり、戦争前の設計士がバベルの塔をモチーフにしたらしく、兵器の開発や今では役に立たない行政の機関として使われる。その周りは中心から軍事基地、貧民街(スラム)と化した居住区、大きな外壁がある。

 ZU―1番地の軍は経歴不明の科学者ダム・ダーカーが作り上げたAIを搭載した無数の機械仕掛けの人工兵士を大量生産し、圧倒的兵力を作る【無限之(インフイニティー)兵士達(・ソルジャーズ)計画】を始動させる。

 彼は白髪ミディアムヘアーでしわしわの褐色肌、隻眼の老人である彼はAIとロボット工学を専門にし、人工兵士を開発した途端に実用レベルまで作り上げた天才だが、短気にして、卑劣、傲慢にして、サディストという最悪尽くしの性格を持つマッドサイエンティストでもあった。

 そんな彼の研究所は塔の中階を私物として占領し、助手どころか誰一人受け付けず、その代わりあるのは用途が分からない謎の機械や彼にしか分からない意味不明な資料紙などが乱雑に置いてあり、足場が少ないゴミ屋敷である。

「この役立たず共が!」

 汚らわしい怒声と頬からなる叩いた音を鳴らすのはダム・ダーカー本人であり、ひっぱたかれたのはアラウス。その隣にヘルメが嫌々ながら立っていた。

「儂が造った人工兵士の邪魔をしおって。ドローンが無かったら、貴様らの上司に不備を責められる所だったぞ!」

「不備ならあったぞ! 何で民間人まで襲うんだよ⁉」

 アラウスは目上であるダムには詫びもせず睨み返す。

「ふん、敵国の人間だぞ。貴様が甘いだけなのではないか。軍の犬どもめ。」

「な⁉ てめぇ…」

 アラウスは怒りのあまりに拳に力を込め、殴ろうと思い立つが、

「いいのか? 儂を殴っても、一端の末端の一人である貴様が、軍から兵器顧問として任されている儂を殴って、すぐに首が飛ぶぞ。」

「くっ…」

 薄ら笑みを浮かべ、アラウスを嘲笑するダムに対し、ヘルメがアラウスの肩を宥める。

「隊長、こいつの言葉を鵜呑みにしたらダメっすよ。軍の奴隷であるのはこの糞の詰まった頭にしか能がない老いぼれも同じっスからねぇ。」

「な⁉ 貴様⁉」

「じゃ、始末書は後程。」

 ヘルメはアラウスの背中を押し、研究所を後にする。ダムはその後ろから怒鳴り散らすこ

としか出来なかった。


 ここだけの話、ダム・ダーカーの性格設定は自尊心が高く、他人や自らの人工兵士を愛情を持たず、道具として扱う鬼畜のような性格はプロット通りですが、ただの胸糞悪いだけの老害ではない部分も加えています。それが鉄人とどう関係するか掛かっています。

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