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使い魔達の力

家に帰り保存箱にお菓子を入れて、マジックバッグにも日持ちしそうなお菓子を少し入れた。


忘れないようにしないと、マジックバッグの中がカビまみれになったら最悪だ。


一度、師匠が食べ掛けのお菓子の箱を保存箱に仕舞い忘れて、棚に置きっぱなしにした事がある。

私が見つければ良かったが、ランさんが見つけてしまい、中が緑色に変色した箱を開けてしまった。


ランさんの叫び声と共に飛び散る緑色のふわふわ。


それはそれは恐ろしかった。


師匠は暫くランさんから逃げ回ってたから、私が店中の掃除をし使い魔達もランさんに近づかなかった為、師匠とランさんの伝言係をする羽目になった。


中身が見えない缶や瓶を開けるのに暫く私を使ったランさんを思い出す。



「清潔は大事よ。変な物混じったら錬金も失敗しちゃうしね。皆も汚れた時は足を洗って頂戴ね?まあ、私の部屋では良いけど、ランさんの前では清潔を心掛けましょう」



私が水を入れた深皿とタオルを出すと、良い子に洗ってくれていた。


私はウェルちゃんとアルちゃんとお話をしながら、夜ご飯を作った。



「ウェルちゃんとアルちゃんはどんな事が得意なの?師匠の使い魔のギルちゃんって蝶の使い魔がいるの。その子は大きくなったりするのよ。でね、パックリ食べたりするの。皆は師匠の使い魔よりも小さいけど、私の魔力でこれから大きくなるのかな?何か知ってる?」



二匹は首を傾げたが、ウェルちゃんはピピっと鳴くと羽を動かした。


ピュッと水がウェルちゃんから飛んでいき、キッチンに当たり、ポチョンとシンクに落ちた。



「おお、凄い。ウェルちゃんは水魔法が得意なのね。魔力操作も上手そうね。風魔法が得意かと思ってた。風もきっと出来そうね。凄い」



私がウェルちゃんが撫でると、気持ちよさそうに目を閉じた。


アルちゃんが私の手をペロっと舐めてジッと私を見つめた。



「なあに?」



私が聞くと、アルちゃんは少しずつ色を黒く変えていき、消えた。



「あら?アルちゃん何処?」



アルちゃんは私の呼びかけにウェルちゃんの影から出て来た。


そして長い黒い紐のようなものがアルちゃんから出てくるとお菓子を一つ掴み私にくれた。



「凄い。成程、アルちゃんは闇魔法が得意なのね。だから本もパクリと出来たのね。アルちゃんもウェルちゃんも凄い。明日、フォルちゃんにも聞こう。皆がいない所なら裏庭なんかで練習したら、どんどん強くなるかも。私も臭いスプレー予防で風魔法練習しないといけないんだった。一緒に頑張ろうね。でも、人がいる所で驚かすのはやめてね。びっくりすると怪我しちゃったり物壊しちゃったりするから。大事な物が壊れたら悲しいよね」



私が二匹を撫でてると二匹は頷きながら話を聞いてくれた。


この子達、私だけの時は良い子。


周りに人がいる時は威張ってるのは、私を守ってくれてるのかな?



「今度、モラクスさんにあなた達の事聞こうね」



私達は穏やかに過ごした。


師匠は今頃大丈夫かな。


悪い人って魔術大臣だよね。


師匠、私の事もあるけど、きっと相手が魔術大臣だから行ったんだ。


魔術局の人も悪い人が多いなら騎士と軍団では魔術とは相性悪いと思ったのかも。


魔力切れたら一発で騎士や軍団が勝つだろうけど、遠くから不意打ちなんてされたら分が悪いと思う。


お金取ってるのも、師匠なりの優しさなんだろうな。


単純にお金が好きだけとは思えない。


師匠いっつも、バカ、アホ、クソ、なんて言うけど、優しいし。


私は夜ご飯を食べ終わると、魔術図鑑を見たり、地図を開いて師匠どこにいるのかな?なんて考えながら夜を過ごした。



朝になり、私が支度をしていると、ドアがノックされ声が掛けられた。



「ジェーン嬢、キムハンです。お迎えに上がりました」


「ちょっと待って下さい。すぐに出ます」



私は急いで用意をしてローブを身に着けるとドアを開けた。


ランさんから貰った髪留めも着けている。



「おはようございます。今日も一日宜しくお願いします」


「おはようございます。ジェーン嬢、ウェル殿、アル殿、本日も宜しくお願いします」



キムハン副隊長は礼をされ、私達は薬屋へとむかった。


ウェルちゃんはお店に行く間、空を飛び上空からパトロールをしていた。


薬屋へ付き、ドアを開けるとフォルちゃんが迎えてくれた。



「おはようフォルちゃん、お留守番有難う。おはようございます。ホーソンさん。変わりはなかったですか?」



奥から礼をしてホーソンさんが出てこられた。



「おはようございます。変わりはありませんでした。フォル殿も有難うございました」



フォルちゃんは小さく頷くとまたクッションに座った。

お気に入りになったようだ。


私達が話しているとランさんとボンジョウさんがやって来た。


今日はボンジョウさんは昼まで警護をされて別の方に代わるらしい。


ホーソンさんは問題なければ女性隊員の代わりを探すよりもこのまま店の警護をして貰うと言う話しだった。


私達は問題ない事を言ったが休みの日はどうするのか聞いたら、ボンジョウさんが交代で泊まりに来てくれると言う事だった。


話をしながらランさんは開店準備をし、店を開けた。



私は注文の束をランさんに貰い、錬金釜の準備をしていく。



モラクスさんに聞きたい事もあるが、今は自分が出来る事はやらなくては。


ホーソンさんは店の掃除を始め、ボンジョウさんは朝のお使いに行かれた。


キムハン副隊長はランさんから私の近くに机を用意され、薬草をドカっと置かれた。



「今日の作業はー、いい薬草の分別です。昨日よりちょっと難しいですよー。例をここに置いておきます。これが品質が良い物。これがまあまあの物。これはあまり良くない物。これは無しの物。各籠の前に見本を置きますのでー、より分けをお願いします。この薬草は痛み止めの効果がありますよー。品質の良い物は生で噛んでも効果がありますよー。なので、急に痛み止めが必要でー、これを見つけれたらただ噛めば応急処置になりますよー」



ランさん先生は今日も絶好調だ。



「成程、あくまで応急処置ですか?飛竜にも効果がありますか?」



キムハン副隊長も弟子に磨きがかかっている。



「あくまでも、応急処置ですね。沢山食べるとお腹が緩くなりますよー。んー、私、飛竜見た事ないんですよね。見たら分かると思いますけど、飛竜ちゃん、鑑定されてもいいですかねー?嫌がらなければ細かい事も分かるかもですねー。あまり鑑定を賢い子には使いたくないですね。キムハン副隊長も嫌でしょう?勝手に鑑定されたら。だから鑑定は、物とかだけにしろって師匠にも言われてますしねー」


「成程。一度隊長に相談したいと思います。飛竜についてはまだ解らない事も多いようなので。知れるチャンスは大事にしたいですが、飛竜は賢いのでしない方が賢明かもしれません」



私は大きな布を釜に沈めていきながらキムハン副隊長に聞いた。



「飛竜ちゃんってマスク嫌がりますか?あの、臭いスプレーや、別の予防でも、飛竜ちゃんにマスクがあればいいかなって思ったんですが、どうですかね?」



キムハン副隊長は、ふむ、と考えられた。



「やはり一度隊長に聞かないとですね。昨日も隊長からは魔鳩が来ましたし、今日も来ると思います」



三人で頷いて、仕事に取り掛かった。


暫くすると、ランさんからはファン草の中和薬の材料がドカドカ置かれた。


配分の案を書かれた物を見ながら、考える。


ランさんが、師匠のお土産ポーチの魔物から考えた配分らしい。


私はそれからさらにスプレータイプと丸薬とに分けて薬を作っていく。


私はせっせと薬を作り、使い魔達はそれを見守り、店を回すランさん、薬草を仕分けるキムハン副隊長、お使いに行くボンジョウさん、掃除を頑張るホーソンさん、平和に時は過ぎて行った。








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