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浮気をされた見習い魔女は、今日も元気にポーションを作ります 【第11章完結】  作者: サトウアラレ
1章

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サレ女は片手でひねる

 次の日の私の朝の顔はそりゃあまあ、思った通り、予想通りのひどい顔で。


 思わず、おうっ。と鏡の中の自分に驚いた。


 目元はパンパン。頬もパンパン、何なら手も浮腫んで体は焼き立てのパンみたいだった。一晩泣いたら怒りは幾分落ち着き、虚しさや、悲しさが襲ってきた。


 ああ、終わったんだな、と。本当に私サレ女なんだな、と。


 昨日は怒りや勢いに任せてババッと行動に移して部屋も解約してダレンにも手紙を出した。両家にも魔鳩を出したし、濃い一日だった。


 勢いがないと出来ないな。と思った。


 ただし、落ち着いた怒りは、あくまでも、幾分で。静かにふつふつと腹の中に残っている。


 怒りの炎は簡単には鎮火出来ないのよ。


 私は冷たい水で顔を冷やし、顔の腫れが少し引き、頭痛と吐き気が収まってから仕事場にむかった。


「遅くなりましたー」と、言ってドアを開けると、


 ランさんが「おはよー。うん?おそよー?とにかく大丈夫ー?顔腫れてるよー。急ぎの注文ないからのんびり仕事出来るよー」と言った。


 ランさんはカウンターで帳簿を見ながら声をかけてきた。


 ランさんは薬作りは簡単な練薬しか作れない。だからいつも練薬を作っている。しかし、ランさんは錬金、調合スキルがない代わりにレアな上位鑑定スキルを持っている。


 だからランさんが用意する材料は間違いがないし、似てる薬草と毒草も100%間違えない。私にも色々教えてくれる。その上、計算スキルも持っているので、店の管理はバッチリだ。


 計算スキルはお金の事だけではなく、私が新しいポーションを考えていると、材料割合のアドバイスをくれたりする。ランさんすごい。計算ってお使いで使うだけじゃないのね。と、計算が苦手な私は思う。ランさんに言わせると、生活、季節、自然、全て計算で表す事が出来るらしい。


 一度説明を受けたが、どんな子守歌よりも魅力的に寝てしまいそうで、理解する事は無理だった。


 薬局って薬学スキルや、錬金スキル、調合スキルだけあってもダメなんだなと身に染みて思った。


 ちなみに私はその、ダメなんだな。のスキルを持っている。そして無駄に多い魔力のおかげで昨日は暴れる程ポーションを作れたりもする。でも、材料分別が苦手で苦労していた。それが今はランさんのアドバイスのおかげで問題がない。頼りになる姉弟子である。


 さー、今日も頑張るぞ。と、少なくなってきた薬を確認していると、



「おーい。サレ女。ひどい顔だな。魔力大丈夫か?」



 ひょこっと工房から師匠が顔を出し、ランさんに注文書を渡しながら聞いてくる。



「師匠お休み有難うございました。魔力は問題ないですよ。急ぎの注文入りました?」



 ランさんが材料を取り出しているのを見ながら聞く。



「ああ。第四軍団からの急ぎだ。ハイポーション10本だと」



 師匠は眉間にしわを作りながら、



「あれだけ10本から上のハイポーションの注文は、緊急時以外の急ぎは止めてくれと言ったのにな。耳腐ってんのか?ポーションの三倍は作るの大変なんだぞ。10本ならいけるだろと思ってんのか?舐めてんのか?で、ロゼッタ。10本。出来るか?ラン、ハイポーションの在庫は?」と聞いた。


 師匠は、「第四は隊長代わったばかりだったな。今度シメるか。おい、ラン、隊長は前の副隊長のジロウだよな?ジロウの呼び出し掛けとけ。急ぎでな。緊急印の魔蝶飛ばせ。脳みそ溶けてるか確認してやろう」と言って私をもう一度見た。


 ランさんは「はーい。ハイポーションの在庫は150切ってますね。そちらから今回出しますけど、ちょっと在庫欲しいです」と言って魔蝶の陣が書かれた魔法紙を出していた。


 私は錬金釜の準備をしながら深呼吸をした。


「師匠!!出来ますよ。やりますとも!!10本でも20本でもかかってこいですよ!!浮気男に比べたらハイポーション相手にする方が一万倍楽ですね!!ふはははははは!!!!!」


 私は腰に差した杖を取り出し、ハイポーション作りの準備をする。


「どうぞー」と魔蝶を飛ばしたランさんがくれた材料を確認して頷く。


 やってやろうじゃない。第四だかなんだか知らないけど、軍団の奴からの注文で出来ないなんて嫌だわ。


「おー。無理すんなよー」と師匠はひらひらと手を振り工房に戻って行った。


 私がよし!!と腕まくりして魔力を貯めだした所で、また師匠が顔を出し、


「おいロゼッタ。20本いけるの本当か?」と聞いて来て注文書をひらひらさせた。


 私はヤケクソになって、「いけますよ!!!かかってこいですよ!!!片手でひねってやりますよ!!」と叫んだ。


 ランさんが、「おー。すごいですねー。材料出しときますねー。んー。材料少なくなりましたね。在庫確認しときます」という言葉を最後に私は一気に魔力を流すと集中した。



 結果。



 出来た。出来ましたよ。ハイポーション20本やってやりましたよ。


 勿論他の注文もありますよ。他の注文も作りましたよ。


 へろへろですよ。でも軍団の注文と言う事で、負けたくなかったんですよ。


 いや、勝ち、負けじゃないんだけどね。ダレンのバカ!と思いながら!クズ!あほ!と思いながら魔力込めましたよ。


 若干色が濁った品質には問題ないハイポーションが出来ました。追加の10本は、第四軍団の注文が来てすぐに第五軍団からだった。


 師匠はまた眉間にしわを寄せて、師匠の使い魔のジルちゃん(黒猫)バルちゃん(黒蛇)ギルちゃん(黒蝶)に仕事を頼んでいた。


 私がへとへとになっていると、ランさんが足りなくなりそうな材料を買ってきていて、それを見た師匠が「多めに材料入れときな」と言った。


 私は内心、えー。また作るのー。と思ったが師匠の顔が割と真剣だったので、黙っていた。


 ランさんは師匠に「はーい。ハイポーション材料、1.5倍くらいでいいですか?」と聞いて師匠が顎に手を当て「2倍にしときな」と答えていた。



 忙しくなるのかな、そう思って錬金釜の掃除をした。




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