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動機について知っても

ベンさんはベンジャミン・ドルトン。ゼンさんはゼン・キイス。

苗字が出て来ます。


長くなりましたので二話に分けました。本日、もう一話、投稿して第六章完結となります。



お茶を一口飲んで、ブルワー法務大臣は喉を潤した。



「禁呪とは関係ないのですが、噂を流していた人間が特定出来ました。その者の処分を報告致します。調べた所、イレーヌ・ガレルも噂を流していたことは分かっておりますが、そちらは噂に対しての実刑を問うのは難しいですな。まあ、魔術棟にて新薬の実験や、魔力に関しての実験で罪を償う事でしょうな」


「も?と言う事はまだいましたか?噂を罪として裁くのは難しいのでは?」


「左様。通常ならば噂だけで罪に問うのは難しいですな。ここに、魔女様の、が前に付きますからな。不敬以外のなんでもありません。しかも貴族。国王陛下が敬意を表している魔女様、魔法使い様に敬意を示さないと言う事は国王陛下に従う意思がない。貴族としてこれ如何にと、いう事ですな」


「ああ。成程。それで罪に問うと言う事ですか、という事は王家への不敬罪ですか?」



ブルワー法務大臣は頷く。



「王家への不敬罪は、これから問われるでしょう。今、報告する処分はジェーン様への不敬罪ですな。実刑と罰金刑とあります。もう一人噂を流した人物、イザベル・レーモンドに実刑が、家の方に罰金刑となります。また、しっかりと刑を発表致す予定ですな」


「レーモンド・・・子爵夫人ですか?」


「はい。イザベル・レーモンド子爵夫人ですな。噂を流した動機については書類の中ほどをご覧ください。動機は、逆恨み、嫉妬、自慢となっておりますな。まあよくある貴族夫人の噂話で止めておればよかったものを。浅はかな者です」



私は書類を捲って目を通した。はあっと一つ溜息が漏れてしまった。



「イザベル・レーモンド子爵夫人には王都での清掃活動を毎週二回、四年間続けさせます。王家主催のお茶会、夜会に今後六年間参加禁止。また、家の方には今回の噂による被害額に応じて魔女様、薬局に賠償金を支払わせます。これは過去の判例を参考にさせて頂きました」


「おお、地味に嫌な仕事を長く続けさせるのですね・・」


「はい、ドルトン様の時にも似たような事がありました。その時は清掃活動二年、茶会、夜会禁止が三年でした。今回は知らなかったとは言え、禁呪の事もありましたので刑を重くしております。ドルトン様の時は、噂を流し馬鹿にした者はドルトン様と儂らで転がして動けなくしましたがな」


「ベンさんとブルワー法務大臣で・・・。それは・・・凄く転がったでしょうね・・・」


「ちなみに、ドルトン様の時にこの刑を決めたのはホグマイヤー様です。当時このように言われていました。「貴族社会から追放しとけ。ただ、周りにも忘れさせない為に見える場所でごみ拾いでもさせろ。貴族の人間を鉱山なんかに行かせたら三日で死ぬだろう。長い時間ゴミ拾いをさせたほうが儲けもんだ」と、まあ少し言葉は違うかもしれませんが、このような事であったと記憶しております」


「さすが師匠」


「以上ですな。賠償金額が出ましたら、魔鳩を送らせて頂きます。ラン嬢には儂から魔鳩を出しておきましょう」


「ええ、お金の事はランさんに宜しくお願いします」


「ああ、もう一つだけ。噂を流した家の周りにカラスや猫が多くいるそうです。外を歩くとその家の者達は鳩から糞を落とされたり、動物から追いかけられたりするそうです。まあ、キイス様の(しもべ)でしょうが、こちらはそのままにしております。我らも仕事がしやすくて助かってますからな」


「はい、ゼンさんのオトモダチです。ずっと、守ってくれていたんですよ。スズメとネズミも攻撃するかもしれません」


「成程。ジェーン様は何か気になる事やご質問は?」


「いいえ。後の事は陛下やハヤシ大隊長にお任せします。ブルワー法務大臣、私は暫く薬局でゆっくりするので誰とも会いたくないと言っていたとお二人に伝えて下さい」


「かしこまりました。どうぞ心穏やかにお過ごし下さい」



私はブルワー法務大臣の話を聞き終わると書類にサインをして、ここから転移をする事を門番さんに伝えて貰い、薬局に戻った。それからはいつも通りに師匠やランさんとお茶をして、私宛のお見舞いはランさん経由で断って貰った。

本日、18時から19時の間でもう一話投稿致します。

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― 新着の感想 ―
[一言] どうせなら動物に嫌われている者たちは魔女様に不敬を働いたものだと発表してもいいかもしれませんね!あと、白蟻を操れたら白蟻を噂を流した家にプレゼントしてあげたいです。
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