表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/11

転生者は殺される

 神話と呼ばれるほどの遠い遠い遠い昔のこと。

 転生者ミカサルは魔王を倒した。

 だがミカサル自身が次の魔王として君臨し。

 世界は再び闇に覆われた――


 神話に登場する転生者ミカサルの影響は、魔法文化が発展した魔法歴12022年の現代にまで続いている。

 転生者は災いをもたらす存在として忌み嫌われ、もし転生者が現れれば火あぶりの刑にされる。




「ごめん、お母さん。今はひとりになりたいの」


 そう言って、私は部屋に閉じ籠った。


「わかったわ」

 お母さんはドアの向こうからとても心配そうに続けた。

「アンヌがいつも使っている頭痛が治まる魔法札を、ここに置いておくからね。ほかにも欲しいものがあったらなんでも言ってね」


 その余計な気遣いが私の胸をさらに締め付けた。


 外は大雨だった。私はひとり、部屋で泣いた。


 お母さんは酷い生理痛だと思っているけど、もっと酷い。


 夢と記憶は似たようなものかもしれない。でもこれは夢なんかじゃなかった。

 私は17歳なのに、それの終わりは34歳だった。

 私はアンヌ・ャ・ベネットじゃなかった。

 私は雛城(ひなじょう)恵莉未(えりみ)だった。

 やっとつかんだ幸せ。

 もうすぐ結婚するところだった。

 ドライブデートの帰り道で、トラックが突っ込んできた。

 これは間違いなく私の記憶。


 私は転生者。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ