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心は季節に順って

作者: 山辺 夜



春暖


 (ほの)陽気  心が緩む

 雪融けて 心(ほど)ける

 (はな)(ひら)き  心も開く

 五月雨(さみだれ)て 心は湿る




夏暑


 梅雨(しずく)  心は沈む

 文月(ふづき)入り 心(あけぼの)

 熱盛り  心も(さか)

 糸遊(かげろう)に  心が溶ける




秋冷


 季の残り 心は(のこ)

 (たま)月夜  心静けく

 上作に  心も豊か

 (くれ)蜻蛉(とんぼ)  心(むな)しく




冬寒


 落葉枯れ 心焦がれて

 天凍り  心は()まる

 六花(りっか)降る 心も真白

 樹は(つぼ)み 心に備え








通年


 移ろいに 心(したが)

 (うつ)ろいは 心に()るや

 森羅なり 心も同じ

 今もまた 心は(うた)




一代


 (はや)進む  心の弾み

 滞る   心は(よど)

 時有情(うじょう)  心と共に

 また無常 心を置いて




社会


 流れ行く 心営み

 人の世は 心の宿り

 遥か未来(さき) 心が舞って

 永久(とこしえ)に  心は自由




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― 新着の感想 ―
[一言] 美しく切ない、とても素敵な詩ですね。
2021/12/06 18:17 退会済み
管理
[良い点] 五七調の四行詩で綴られた四季、通年、人生、世の中への想い、染み入りました。
[一言] 四季それぞれの心持ち。 心地よく読ませていただきました。 最後の一行、いいですね!
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