#15.0 敵の基地は
「全ての被弾箇所、消火完了」
「敵機を追尾。全世界の衛星レーダーで確実に捉えています。」
「着陸した場所が敵基地ということになる。そこを見つけろ」
「現在、目標は南下中。まもなく赤道を通過します。」
「赤道通過まで5…4…3…2…1…0目標通k」
「目標消失!赤道通過直後だ!」
「もしや…… 南極上空のレーダー衛星!」
「は!主モニターに出します!」
「これは…」
レーダー画面には、ついさっきロストしたばかりの戦闘機編隊が同じ機数・同じ陣形で悠然と飛行していた。
「まさか、南極に基地が⁉︎というか、どうやってあそこまで⁉︎」
「……ワープ能力」
司令室に来ていた元がそうつぶやいた。
「何⁉︎」
「あ、いえ。もしあれが悪神の軍なら、赤道を越えた直後にワープ能力やテレポート能力で戦闘機を基地の近くまで瞬間的に飛行できます。」
「なるほど。確かに」
「南極に基地があると分かったなら、すぐに部隊を向かわせましょう!自衛隊各部隊へ指示します」
『陸上自衛隊特殊任務対危険生物処置班特別指令権限により陸・海・空自各幕寮へ!現在、悪神軍の基地が南極にあることが判明した。よって、海上自衛隊より砕氷艦「しらせ」、イージス艦二隻、あさぎり型護衛艦三隻、ヘリ・航空護衛艦「いずも」、輸送艦「しもきた」を直ちに佐世保へ!次に陸上自衛隊、しもきたへの通常積載車両に加え、氷雪上走行特化型装甲車を佐世保港へ手配してくれ!最後に航空自衛隊、いずもに艦載できるF-35をできるだけ多く手配し、E-767早期警戒機一機、P-1哨戒機二機を常時離陸できる状態にしておいてくれ!』
『海上自衛隊、了解!』
『陸上自衛隊、了解した!』
『航空自衛隊、了解だ!』
「ではこちらも、凍結中の予備ポットの凍結を解除し、専用輸送艦へのせ直ちに佐世保港へ行き、艦隊と合流してくれ。」
「は!」
次の日:海上自衛隊佐世保基地
「全艦、出港準備完了しました。」
「よかろう。舫放てー!全艦、出港!」