#13.0 報告
『ポット2回収作業完了。』
『了解。緊急冷却水槽へ』
『すでに輸送完了しています。コックピットは取り外し、専用ブースへ移動』
『冷却水槽注水!』
シュ〜
フル稼働で泳いで、発熱していたポットが急激に冷やされ、白い煙を漂わせていた。
同時:本部
「しかしとても弱かったな。殲滅所要時間の最短記録更新かな」
「少し気になることがある。全ての悪神の、最終進路予測データを。」
「は!」
すぐにテーブル型ディスプレイに、全国とその近海、そして大気圏外までが3Dで映し出された。
「最終進路の航跡を、0.1度の狂いもなく伸ばしてくれ。どこかで全てが重なるはずだ。」
「はい!」
2.6秒後
「出ました!集合地点は、東京都千代田区永田町二丁目3番1号の地下、650m………」
「それって、官邸じゃ……⁉︎」
「いや、官邸の危機管理センターより深いところだ!なぜにそんなところへ?」
「俺に聞くな。んなことしらねぇよ」
「知りたければ攻めてくる悪神に聞けよ」
「無理だ!」
「静かにしたまえ、諸君。私はこれから一度官邸に行ってた警告してくる。まぁ、政府は対岸の火事程度にしか思わないだろうが……」
その瞬間、本部長は報告を聞いても何も言わない総理大臣を思い出し、堪忍袋の緒がきれて激しい殺意が湧いてきた。そんな中、脳内では織田信長が出てきて、「鳴かぬならこ…」まで言ったところで叩き出した。
はいはい、どうせ「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」とでもいうつもりだったんだろ。
本部長はその気持ちを必死で抑え、飛行艇で羽田へと急いだ。
2時間40分後:首相官邸
「久しぶりだね、駒柳一尉。いや、今は三佐かな。」
「大佐・将校であり、現在本部長の駒柳です。」
「‥‥‥そうか。」
思いっきり忘れてただろ。この前来た時には既に本部長だったぞ
さて、気を取り直して、
「報告します。最近日本周辺へ襲来する悪神の航路より、全ての悪神がここ、官邸の地下650mを目指していることが判明しました。我々も悪神を出来る限り近寄せないよう対処しますが」
ここで少し小声になり、聞いた。
「やはり、例のものはトリガーとなる。確認した方が良いのでは?」
「フム…」
ここでまた堪忍袋の緒が切れ、激しい殺意が湧いてきた。
今度は織田信長が「鳴か……」まで言ったところで蹴り出して脳内情景から退場してもらった。
ここは平常心を取り戻し、総理が話し始めるのを待とう。
というわけで今回はこの辺で終わりにしようかな〜
え?堪忍袋の緒が切れるとはなんだって?
………怒ってブチって音がして血管が浮かび上がるあの現象だよ。