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告白

ご覧いただきありがとうございます!


ある日光太は渚と秋山が話していたと聞く。


内容が気になる光太は聞き出そうとするが…?

運動会が終わり、俺たちは一気に受験モードに入った。


「明日から放課後17時30分まで教室を解放し自習室とします。先生方も職員室にいるから分からない事があったらどんどん質問しにきてください。それでは今日のHRを終わります」


「「ありがとうございましたー」」


帰る準備をしていると奏太がやってきた。


「光太〜帰ろ〜ぜ!」


「おー」


帰り道。


「明日から放課後残る?俺、どうしよ〜かな〜。教室にいると集中できなさそうなんだよな。でもいつでも先生に質問できるのはいいよな!」


「そうだな。質問したい問題がある日は残るかな。」


「おー、なるほどな。そういえばお前、知ってる?運動会前、渚ちゃんと秋山さんが空き教室で話してたらしいぜ。しかも渚ちゃんは泣いてたってよ。喧嘩かな?」


「??」


俺はそんな事があったなんて知らなかった。


渚も秋山も温厚で喧嘩するタイプではないし、そもそも2人で話しているところをあまり見た事がない。


「聞いてるか?光太?」


「なんだろうな、知らなかったよ」


「お前も知らないのか〜。気になるよな〜!」


「あぁ。気になるな。聞いてみようかな」


「誰に?」


「秋山」


「ふーん、渚ちゃんじゃないのか。」


「渚は彼氏いるからあんまり俺と話さない方がいいんだよ。彼氏に嫉妬されると面倒だから」


「モテる幼馴染も大変ですな〜。じゃあ聞いたら俺にも教えてくれよなっ!じゃあまた明日!」


「おう。また明日」




ーーー次の日


「光太くん、今日の放課後、教室に残る?残るなら一緒に勉強しよ!」


「わかった。」




カリカリカリ。


隣で勉強をしている秋山を横目で見る。


「ん、なーに?」


「いや。何でもない」


「ふーん、変なのっ。…この問題分からないから先生に聞いてくるね」


「おう。」


(やっぱり秋山が渚を泣かせる訳ないよなぁ。なんだったんだろう)


カリカリカリ。


(…ふぅ。今日はここまでにしよう。気になって集中できないし。)


帰る支度をして秋山を待った。







「やっと分かったよ〜。先生ってやっぱすごいね!ってあれ?もう帰るの?」


しばらくして秋山は戻ってきた。


「あぁ。帰ろう」


「うん、分かった!支度するからちょっとだけ待ってっ!」


「校門の前にいるよ」






帰り道。


「今日の光太くん、なんか変だよ〜?どうしたの?」


「…あのさ、聞きたいことがあるんだけど。」


「ん?」


「運動会の前に渚となんか話した?」


「えっ?…んーと。…隠しても無駄だよね。話したよ。光太くんのこと。」


「俺の事?」


「そう。渚ちゃんに私と光太くんは付き合ってるのかって聞かれたの。」


「で?」


「付き合ってるって言った」


「はぁ?!」


「ぷっ!冗談っ。渚ちゃんにも冗談のつもりで付き合ってるって言ったけど本気にしちゃったから、ちゃんと嘘って言っておいたよ!」


「…。で、渚はなんで泣いてたんだ?」


「そんな事まで知ってるんだ。それは私の口からは言えないな〜。」


「なんで?」


「なんでも!本人に直接聞いてみたら?」


「…わかった。ありがとう」


「…ねぇ、光太くん。私じゃ、ダメかな。光太くんは私の事好きになってくれないのかな…。」


「…。」


…そうだ。今まで俺は秋山の気持ちを利用してきた。


利用して、側にいてもらって、救われてきたんだ。


秋山はどれだけ辛い思いをしたのか。


俺はどれだけ救ってもらったのか。


(ごめん。秋山…)


「…何も言ってくれないの…?」


「…ごめん。秋山の事は好きだ。でもlikeの方なんだ。いつも側にいてくれて、俺の事を救ってくれて本当に感謝してる。俺にとって秋山は大切な‘心友’なんだ」


「…もう、いい。最初から分かってた。どうにかして振り向いてもらおうと思って頑張ったけど、私には難しかったみたいっ!…最後のワガママ聞いて?」


「ん?…っ?!」


急に秋山の顔が近づいて俺は思わず目をつぶった。


一瞬何が起こったか分からなかったが、気づくと握手をしていた。


「へへ〜っ。びっくりした?記念にキスでもしちゃおうかと思ったけど、私のファーストキスは大好きな彼氏ができた時まで取っとくっ!…だから心友の証に握手ねっ!」


「あ、あぁ。」


俺は焦りを隠しきれなかった。


「…光太くんってさ、面白いよねっ」


…バカにされている。


「…ありがとう。秋山。」


「光太くんの、バーカっ!じゃあねっ」


悪戯に笑いながら秋山は走り去っていった。









…光太が見えなくなると秋山は足を止めた。


(ダメだった。結構頑張ったんだけどな。)


自然と涙が出てくる。


(明日からどんな顔したらいいんだろう。もう光太くんの側にいられないな。きっと泣いちゃう)


いつか私にも光太くんの事を心友と呼べる日が来るのだろうか。


(早くおうちに帰ろう…)


早くおうちに帰って、温かいお風呂に浸かって、美味しいご飯食べて早く忘れよう。


…そうだ。デザートおねだりしよう。


ケーキ食べたい。


…今日ぐらい、ワガママ言っても、いいよね。

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