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気持ち

ご覧いただきありがとうございます!


光太は人の気持ちには敏感ですが

自分の気持ちには超鈍感です。


どうなるのかな?

渚に振り回されてあっという間に春休みが終わった。

俺たちは中3になった。

渚と俺は同じクラスになった。

これで3年間同じクラスだ。

腐れ縁か?先生の嫌がらせか?まぁいいけど。


「こうちゃん!また同じクラスだねっ!よかったよかった!」

「別によかねーよ」


そんな会話をしつつ教室に入ると


「おはよー!」


「おはよー」


「よっ!新学期早々一緒に登校ですか!いいねぇ」


行き交う挨拶と共にいきなり奏太が茶々を入れてきた。

奏太は俺の友達。

訳がわからん事を言ってくる事が多いが楽なので一緒にいる。


「やめてよー!そんなんじゃないよぉ。たまたま行く方角が一緒だっただけで!」


渚が一生懸命言い訳している。

なんだよ、行く方角が一緒って。

もっとなんかあっただろ。


家が隣で同じ中学、だから一緒に登校してるだけだ。別に言い訳しなくてもいいのに。

あたふたしている渚を見ているのは面白い。

そんなことを考えていると、1人の女子が俺のところへやってきた。


「光太くん、ちょっといい?」


去年から同じクラスの秋山だ。


「いいけど、なに?」


「ちょっと廊下で話したいんだけど」


「あぁ、わかった」


廊下へ着くと秋山が固まっている。


「どうした?話って何?」


「渚ちゃんの事なんだけど、付き合ってるの?」


「えっ…?なんで渚と俺がそうなるわけ?

んな訳ないじゃん」


「そ、そうなんだ!

ごめんね、変な事聞いちゃって!

そうだ!高校ってどこ行こうとか決めてる?」


「〇〇高校行けたらいいなとは思っているけど」


「そ、そうなんだ…

わかった、ありがとう!

呼び出しちゃってごめんね!

HR始まっちゃうから教室戻ろう!」


早口で言うだけ言って秋山は先に教室へ戻ってしまった。


(あぁ…あいつ俺の事好きなのか。困ったな。)


俺はなぜかよく告白される。

告白されすぎて告白されなくても俺に対しての想いとか、告白されそうだとか雰囲気で分かるようになってしまった。


(まいったな。なんて断ろうか)


俺は好きな友達は男女問わず沢山いるが、好きな人がいない。気になる人もいない。


だから告白されてもOKはしない。



ーーー



あれこれしているうちに帰宅時間になった。


俺が帰る準備をしていると、渚がどこかへ走って行くのが見えた。


いつもなら「こうちゃん帰ろ〜」と言ってくるのに。


まぁいいかと昇降口へと向かっていると渚と春休みに渚に告白した男子が立っているのが見え、俺は思わず身を隠した。


(って俺、なんで隠れないといけないんだよ)


といっても隠れてしまったものはしょうがない。


「渚ちゃん、俺、やっぱり渚ちゃんの事が好きなんだ」


「ごめんなさい、この前もお返事したけど付き合えません」


「理由、聞かせてもらえないかな」


「私、好きな人がいるの。だから付き合えないの」


渚の顔がいつになく赤く染まっていた。

(渚…好きな人いるのか。知らなかった)


何故だか胸がちくんと痛んだ。

産まれて初めて感じる痛みだった。


「そっか…分かった!

じゃあこれからは友達として渚ちゃんの事見てるよ!」


「ありがとう!これからもよろしくね!」


2人の会話が終わり別れ、渚がこちらへ向かってくる。


(やばい、とりあえず隠れないと…!)


俺は近くの空いている教室へ隠れた。


向こうでは渚がでかい声で俺を呼んでいる。


「こうちゃーーん!どこー?かえろー?」


(でかい声で呼ぶなよ、恥ずかしいだろ)


「渚、帰るぞ」


「あっ!いたいた!探したよー!」


俺はドキドキしていた。

何のドキドキか分からなかったが、渚を見る事ができなかった。

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