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奏太先生

ご覧いただきありがとうございます!


光太と奏太が作戦会議していると奏太の意外な一面を見ることになり…


近くにいても知らないことや分からないことがあるもんですね。

「で、どうするんだよ?!」


奏太はなんだか楽しそうだ。


「…その前に秋山にどうやって渡すか決めようぜ」


「俺の事はいいんだよ!後は上手くやるから!」


「…大丈夫なのか?」


「大丈夫、大丈夫っ!んで?!プランは?」


「まだ…。」


行きたいところが思い浮かばない。


買い物や食事ならよく行っていたが、改めてデートと言われると、どこに行けばいいのだろうか。


「映画は?」


「観たい映画やってない。」


それに暗闇で隣に座られたら緊張してしまう。


「じゃあ、食事は?」


「付き合う前から食事ぐらい一緒に行ってたけど、それでいいのか?」


「う〜ん。初デートには微妙か…あ、水族館は?!」


「水族館か、いいかもな」


水族館は隣の市にあり、電車に乗って行くことになる。


「じゃ、決定!デートと言ったら待ち合わせだなっ!家の前じゃなくて駅前に集合にしろよっ!」


「わ、わかった。」


「あと、渚ちゃんはきっと初デートだからいつもよりオシャレしてくると思うんだよね。」


「…?」


「色々褒めたり、歩くペースを合わせたりしてやれよ!それがスマートな男ってもんだ!」


「…。」


(…なぜそんな事をアドバイスできるんだ、奏太)


なぜ、彼女がいた事がない奏太にそんな事が分かるのか。


「あっ!お前今、『なんで奏太がそんな事!』とか思っただろ〜!顔に書いてあったぞ!」


「!!ふ、ふつうそう思うだろ?!」


「俺はなぁ、日々研究をしてるんだよ。雑誌でな」


と得意そうな顔をした。


「…彼女できて研究の成果を出せたらいいな」


「そうなんだよ〜!あとは彼女ができるだけなんだよ〜!」


「…頑張れよ」


「…なぁなぁ、光太、もう、チューしたの?」


「してねーよ!するわけねーだろっ!」


いきなり何を言いだすんだ、こいつは。


「じゃあ、初デートでするのか?」


「しない。とりあえず、受験が終わるまではな。」


「光太は真面目だな〜、そういうとこ、俺尊敬するわ」


「おう。尊敬しとけ。」


「あー、なんか俺も頑張ろっと。秋山さん、なんて言うかな〜!」


「いつ渡すんだ?」


「ん?そりゃあ日曜だよ。図書館で一緒に勉強する事になってるんだ。だからその時に。」


「そっか。頑張れよ!」


「おう。光太もな。じゃあ俺、そろそろ帰るわ!お邪魔しました〜」




奏太が帰ると急に部屋が静かになった。


(夕飯、どうするかな。今日は冷蔵庫に何もないから何か買ってきて食べてって言われてるんだった。)


俺は財布を持ち、家を出た。


外に出ると渚がいた。


ちょうど帰ってきたようだ。


「?!」


渚は驚いて手に持っていた何かを後ろに隠し、急いで家の中へと入って行った。


「なんだ、あいつ…。」


追いかけようかと思ったが、空腹に耐えられそうにないので先に買い出しに行く事にした。


夕飯はハンバーガーにした。


店内でハンバーガーを食べていると、カップルが何組か座っていた。


隣でこれでもかとくっついて食べているカップルもいれば、お互いスマホを見て話さえしないカップルもいる。


(…あんな付き合い方はやだな)


ふと反対側を見てみると、とても楽しそうに話し微笑みあっているカップルを見つけた。


彼女が話し、彼氏がそれに笑顔で応える。


とても幸せそうに見えた。


(俺は渚とはこんな付き合い方をしたい)


そう思いながら食べていると、渚の事を思い出した。


渚はここのシェイクが好きだ。


(買っていってあげよう)


食事を済ませ、渚のシェイクを買い、渚の家へ向かった。






ピンポーン。


「はーい」


「渚?俺だけど」


「こうちゃん?ちょっと待ってね!」


ガチャッ


「どうしたの?」


「これ、買ってきた。」


渚にシェイクを渡すと渚は満面の笑みになった。


「わぁ!ありがとう!でもどうしたの?熱でもある?」


渚の笑顔を見て思わず口元が緩んだ。


「ねーわ。てかさっきなんで逃げたんだよ。」


「逃げてないよ?!気のせいじゃない?」


「ふーん。まぁいいけど。日曜は8:30に駅に集合だからな。遅れるなよ。」


「うん、わかった!楽しみにしてるねっ!」


「今日は勉強しにくるのか?」


「う〜ん、今日はやめておこうかな。」


「明日は?」


「明日は1日用事があって!ごめんね、こうちゃん。」


「…そっか。じゃあ日曜日な。」


「うん。おやすみ」


「おやすみ」


俺は渚の頭を軽く撫でると自分の家へ戻った。


(渚、用事多くないか?)


本当は何の用事があるのか聞きたい。


でもそれでは明らかに重い男だ。


嫌われたくはない。


(ふぅ〜。日曜日に遊ぶ分、今日と明日で勉強頑張りますか)


俺は勉強机に向かった。

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