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デートしたい

ご覧いただきありがとうございます!


光太と渚は付き合って約1ヶ月。


そろそろ幼馴染から恋人になりたいけれど…?

登校中。


「「…。」」


まだ朝の重い空気を引きずっている。


「…こうちゃんっ!今日は用事があるから一緒に帰れないからねっ!」


「…わかった。俺も今日は奏太と放課後に行くところがあるんだ」


(渚のやつ、最近用事が多くないか?)


「そっか!奏太くんとデートか!いいですなぁ〜」


「男とデートして何が楽しいんだよ」


「いいじゃんデート!…私もデート、したいなぁと思って!」


「?!デートしたいのか?!」


「当たり前でしょ〜、デートした事ないし。」


「そ、そうか。」


「どうしたの?私、変な事言った?」


「いや、言ってない。」


「ふーん。変なこうちゃん。あ、1限目体育で準備当番だった!私、先に行くねっ!」


そう言って渚は走って行った。


(デート、そういえば一回もしてないな)


「聞こえたぞ〜、デートするのか?いいよな〜」


後ろから奏太の声が聞こえる。


「おまっ!いつからいたんだよ。」


「結構前からいたぞ〜。親友の存在が気がつかないくらい朝からラブラブなんだな」


「そんな事ないだろ。それにデートするなんて一言も言ってない。」


「そんな事言って〜。どうせするんだろ〜!この奏太様が相談に乗ってやるよ!」


そう言って奏太が肩に腕を回してきた。


「…ほんとか?」


「ほんとほんとっ!今日の放課後、プレゼント探しの後に作戦会議しようぜっ!」


「…おう。」


果たして奏太に相談して良い作戦が立てられるのだろうか。


(…まぁ、一人で悩むよりいいか)







1限目は体育。


今日は男女混合サッカーだ。


ここ最近は勉強ばかりなのでこうやって体を動かすのは楽しい。


チームが交代になったので休憩をしようと座ると、奏太が隣に座った。


「今度、秋山さんのチームの番なんだ〜。一緒に見よーぜ!あ、秋山さんと渚ちゃん、同じチームじゃん。」


「ほんとだ。」


「頑張れ〜!」


奏太が手を大きく振りながら声を出した。


周りは笑っている。


「…。奏太。恥ずかしいんだけど。」


「秋山さん、サッカーうまいよな〜。いいよな〜。」


俺の話は全く聞いていない。


「はぁ〜」


ため息をついて俯くと、周りがなんだか騒がしい。


「光太!渚ちゃんが!」


「えっ?」


向こうで渚が倒れ、周りがアタフタしている。


「お前、早く保健室連れてけよ!」


「お、おう!」


俺は渚の方へ走り出した。


「先生。俺、渚を保健室へ連れて行きます」


「え、大丈夫だよ〜。ちょっと転んだだけだよ。」


渚は倒れた体を起こし、座っている。


「あぁ。念のためそうしてくれ。ボールが頭にぶつかって倒れたんだ」


「分かりました。保健室の先生にそう伝えます。ほら、渚、行くぞ?立てるか?」


「うん。」


「…足も擦りむいて血が出てるな。…ほれ」


俺はおんぶの構えをとった。


「…!!やだよ〜!恥ずかしいよ!自分で歩けるよ!」


「いいじゃん、おんぶしてもらって行きなよ!途中で倒れたら困るし!ほら、乗って!」


秋山がそう言って渚を無理矢理俺に乗せた。


「じゃあ、いってきます」


俺たちはグラウンドを後にした。







保健室。


先生は丁度不在のようだ。


(出血した所の消毒だけでもしておくか。)


「渚、血が出てるの足だけか?」


「ん〜、うん!そうみたい。」


「そっか。消毒するぞ。」


「えっ自分でできるよ!」


「怪我人は黙ってじっとしてろ」


「…はい」


「…よし、できた。他に痛いところは?」


「頭だけ。」


「そうか。てかお前、何やってんだよ」


「ヘディングしてみようと思ったんだよ〜!そしたら思いの外ボールが固くて。衝撃が強すぎて耐えきれなかった。あははは…」


「気をつけろよ?」


「うん、ごめんね」


「一応先生が来るまで一緒にいるよ」


「ありがとう、こうちゃん」


ガラガラッ


「失礼しまーす!ってあれ?渚ちゃん…と山口?こんな所で何やってんの?」


小西だ。


「あのねっ!私がサッカーで失敗しちゃって、こうちゃんに保健室に連れてきてもらった所なの」


「へぇ〜?渚ちゃん、ドジだなぁー。お大事にね!」


そう言いながらも俺を睨みつけてくる。


「そうだっ!渚ちゃん、今度の日曜空いてる?」


「えーっと、…」


「渚は日曜は用事がある」


俺は渚が答えるのを遮るように小西にそう言った。


「えっ!こうちゃん?!」


「へぇ。何の用事?」


「俺とデート」


「!?こうちゃん?!」


渚はビックリして動かず、小西は俺を睨みつけた。


「俺と渚、付き合ってるから」


「!!…それ本当?渚ちゃん。」


「…うん。」


渚は恥ずかしそうに俯いている。


そして顔を上げ、満面の笑みでこう言った。


「…小西くんが私の相談に乗ってくれたおかげだよっ!ありがとう!」


「…う、うん。幸せにね」


そう言うと小西は保健室から出て行った。



「「…。」」


ガラガラッ


「あら?ごめんね、不在にして。どうしたの?」


先生が戻ってきた。


俺が事情を話すと渚はしばらく安静にしている事になった。


「じゃあ、俺は授業に戻ります。よろしくお願いします。」


「はい。分かりました」









(…俺、日曜にデートするって言っちゃったよな。どうしよう)


勢いで言ったが、デートなんてしたことない。


(奏太に本当に相談するしかないな。)


そんな事を考えているといつの間にか1限目が終わった。


さらに、集中できないままいつの間にか放課後になった。


「光太!行こーぜ!」


「おう。」


「お前、今日心ここにあらずだな。保健室で何かあったのか?」


「…ない」


「ふーん。まぁいいや!チョコ探そうぜ!その後、色々聞いてやるからな〜!」


「どんなチョコにするのか決めたのか?」


「そこなんだよ〜!あんまりしっかりしたチョコあげて重いとか思われたら嫌だし、かと言ってあんまり安いチョコ渡すのもな〜。」


「逆チョコ渡して告白するんだろ?しっかりしたチョコの方がいいんじゃないのか?気持ちが伝わって。」


「そういうもんか〜。じゃあそうするわ。」


俺たちは店に入った。


「いらっしゃいませ〜」


…。


すごい女子の数だ。


俺たちは完全に場違いだ。


「す、すごいな…。俺、あっち見てくるわ〜!」


奏太は女子の中に埋れて行った。


俺は入口付近で待つ事にした。


商店街は相変わらずたくさんの人が行き交っている。


ふと外を見ると、小西が歩いていた。


小西は下を見ながら歩いている。


足取りは重い。


店の前で止まった。


が、また歩き出した。


(渚に何かプレゼントするつもりだったのか?)


日曜に何かする予定だったのであれば可能性はある。


日曜はバレンタインデーだし、奏太のように逆チョコか何かを渡して告白するつもりだったのかもしれない。


(小西に付き合ってる事言えて良かったな。諦めてくれるといいけど。日曜も渚から離れないようにしないとな)


日曜、どこに行こうか。


「おまたせ〜」


「意外に早かったな」


「そうだろ〜?フィーリングで決めてきたぜっ!…この後どうする?」


「俺んちくるか?」


「そうしよう!光太の家、久しぶりだな〜!」


俺と奏太は俺の家に向かった。

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