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ご覧いただきありがとうございます!


クリスマスシーズンが終わり、年末は家族と年を越す事なく、一人勉強に没頭していた光太。(年越しそばは美味しくいただきました)


年明け早々に急な用事で両親は会社に行かなければいけなくなり…?



お正月。


「ごめんね、光太。父さんと母さん今日どうしても会社に行かなくちゃいけなくなったのよ。夕方には戻るからね」


「あぁ。別にいいよ。勉強してるだけだし。ていうか普段通りだし。」


「まぁそうよね。暖かくしてるのよ!じゃあいってきます」


と、父さんと母さんが玄関のドアを開けた時


「きゃ!」


と外で声がした。


「あら、渚ちゃんおはよう!どうしたの?」


「お、おはようございます!初詣に行こうと思って、こうちゃんを誘いに来たんです。インターホン押そうとしたらドアが開いてびっくりしました〜!」


「そうなのねっ。寒いから入ってて!じゃあいってきます」


「「いってらっしゃい」」


「こうちゃん、初詣、行こ?」


「お、俺と?渚のお父さんとお母さんは?」


「仕事!早く支度してきて〜!」


「お、おう。」



俺は部屋に戻り、支度をした。


(…あれつけていこうかな。)


目線の先にはクリスマスプレゼントのお返しに渚がくれたマフラーがあった。


首に巻き顔を埋めると、微かに渚の匂いがする気がして顔が熱くなった。


(何考えてるんだ俺。…重症だな。)


ふぅ〜と深呼吸をし、部屋から出ようとした時。


「こうちゃ〜ん、まだ〜?」


と渚が部屋を覗いてきた。


(?!)


「お、おい!覗くなよっ!着替えてる途中だったらどうするんだよ。」


俺は冷静さを装いながら渚を見た。


「だって遅いんだもん。寒くてっ!あっ、つけてくれたんだね、それ。似合ってるよ〜っ!」


「いつもネックウォーマーだったからなんだか新鮮だな。ありがとな」


「どういたしましてっ!じゃあ行こっ!」


「あぁ」


玄関のドアを閉めると渚が鍵をしめた。


「あれ?お前、その鍵返さなかったのか?」


「えっ?なんで?」


「…まあいいや、行こう」


母さん、どんだけ信用してるんだよ。


まあ母さんがいいならいいんだけど。




「「…。」」



話す事が見つからない。


何かないかと思考を巡らせていると


「あ、雪…。どうりで寒いわけだね」


渚が空を見上げた。


「早くお参りして、どこかの店に入って昼飯食べようぜ。これじゃ寒くて凍る」


「うん、そうだね」


ふふっと渚が微笑んだ。


俺は顔が熱くなるのを感じ、急いで顔を背けた。


「お前、そんな格好で寒くないの?」


「んーちょっと寒いけど、しょうがないよっ!でもこんなに寒いと思わなかった〜!」


渚はワンピースにコート、手袋という格好で一応は防寒していたが、男の俺からしたらものすごく寒そうだった。


「ほれ」


俺はマフラーを外し、渚に巻いた。


「…ありがとう」


渚の顔が少し赤くなった。


「あったかいね」


「そうだろ?」


「うんっ!」


寒さは変わらなかったが、俺は少しだけ暖かくなっていた。







ーーーーー


「何頼もうかな〜。こうちゃん、何にする?」


「俺はこれ。まだ決まんないのかよ」


早めにお参りを切り上げて暖を求めファミレスに入ったのは20分前。


渚はまだ食べる物が決まらないらしく、メニュー表をペラペラとめくっている。


「はぁ。いいか、あと5秒で決めろよ?ごー、よーん、さーん、」


「あー!待って!これ!これにする!」


「やっと決まったな。すみませーん!」


「も〜こうちゃん決めるの早すぎなんだよ〜」


「お前が決めるの遅すぎなんだよ」


「ひどーいっ!まぁ本当の事なんだけどね〜」


「まぁいつもの事だけどな」


「ふふっ、ありがとこうちゃん!」


「褒めてはないぞ?」


「知ってます〜」


渚は頬を膨らませてみせた。


…かわいい。


この時間がずっと続けばいいのに。


「あ〜きたっ!美味しそう〜」


「…お前、昼、それだけ?」


「ん?そうだよ?おいし〜」


パフェを頬張りながら渚は幸せそうな顔をした。


「あ、そう。」


「こうちゃんも食べる?」


「俺はいいや、せっかく温まったのにまた寒くなりたくないし」


「え〜美味しいのに」


「おまたせしました〜」


「ありがとうございます。よし俺も食お!いただきます」


「こうちゃん、ここ来るといつもそれだよね」


「いいだろ別に、うまいんだから」


はたから見たらどう見えるだろうか。


恋人同士に見えるのだろうか。


俺は複雑な気持ちだった。


ーーーーー




「今日はありがとね。」


家の前に着いた。


「おう。」


「あのね、こうちゃん。前にも言ったんだけど。言いたいことあるの。まだ時間あるかな?」


「…今日はやめよう。」


「でもっ!私、こうちゃんに嘘ついた事謝りたくて!」


「…いつのこと?」


「夏休み。花火大会の日。」

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