俺の隣にいるやつ
はじめまして!初投稿です。よろしくお願いします。
主人公
山口光太
さっぱりとした性格で男女ともに友達が多く人気。
幼馴染の渚の事は赤ん坊の頃からずっと一緒にいる為、隣にいて当たり前だと思っている
高山渚
天然・優柔不断で光太によく頼る光太の幼馴染。
光太の事を信頼している。光太と同じく隣にいて当たり前だと思っている。
ーー中3の夏、全てが変わった
俺の名前は山口光太。
もうすぐ中学3年生になる。一人っ子で両親は働いていて夜遅くまで帰ってこないことが多い。
隣の家には同い年で幼馴染の高山渚が住んでいる。
渚も一人っ子。両親は俺のウチと同じ。
渚とは親同士が親友だった事もあり0歳の赤ん坊の時からずっと一緒だ。
そう、これからも。
「ー…ん、ーっちゃん!こうちゃん!もう11時だよ!起きなよ〜!」
「…なんだよ。休みの日まで押しかけてくんなよ」
渚に起こされた。せっかくの春休みなのに。
「だって…朝からパパとママが仕事行っちゃったからつまんなくて」
「そんなのいつものことだろ」
「こうちゃんは寂しくないの?」
「いや…俺も流石に中3になるからなぁ…ていうか、俺の母さんと父さんも今日も仕事だったよな。
どうやって俺んちの鍵開けた?」
「えへへ〜、実はこの前からこうちゃんのママに鍵預けてもらってるんだ」
「…あっそ。」
もう考えるのがめんどくさくなった。
俺の母さんが渚に絶大な信頼を寄せているのは知っていたが、ここまでとは。
(だからといって人の家入って来るか?普通。まぁ毎度の事だけど)
「…はぁ〜…俺まだ寝るわ、おやすみ」
「待って、こうちゃん!
私ね、昨日の夜クラスの子に告白されたの!」
そう言いながら自分のスマホを見せてくる渚。
「お前な、せっかくそいつが意を決してお前に告白してくれたんだぞ?
それを普通俺に見せるか?
そいつが可哀想だろ、やめろよ」
「だって、他に相談できる人がいなくて…ねぇ!どう思う?」
はぁ〜、と溜息をつきながら俺は渚の肩にポンと手を置いた。渚が告白されるのは初めてではない。
「相談できる人がいないのはしょうがないとしても、スマホの中身を見せるのはダメだ。
まぁもう見ちゃったけどな」
「あははっ!じゃあこうちゃんも同罪だねー!という事で一緒に考えてっ」
「…なにを?」
「この人と付き合うか付き合わないか!
こうちゃん、この人の事よく知ってるでしょ?
私はあんまり良く知らないんだよね。
この前連絡先交換しようって言われたからとりあえず交換したんだけど、まさか告白されるとはね…」
「いや、付き合うかどうかはお前が決めろよ。
俺の考えを一つ言うとしたら、渚がそいつの事好きなら付き合えばいいし、興味があるなら友達からとかでもいいんじゃないのか?
付き合う気が無くて興味も無いならやめておけ。
そいつが可哀想だ」
「やっぱり、そうだよね。やめとく」
「お、おう…」
渚は本気で人を好きになった事がないらしい。恋愛漫画やドラマを見て「いいよねー、カッコいい!」とヒロインの彼氏によく恋をしているが、恋に恋している感じだ。
小学生まで男の子っぽくショートにしていた渚だったが、中学に上がり髪を伸ばすと告白される事が多くなった。
俺には渚のどこが良くて告白するのかさっぱり分からない。
「じゃあ、お断りの返事しとこーっと。ねぇねぇこうちゃん、今日暇でしょ?ちょっと付き合ってよ!」
「…暇だけど、どこに?」
「決めてないんだよねー、とりあえずご飯食べないといけないからスーパー?でも遊びたいなぁ…うーん」
今日も渚に振り回されて1日が終わるのか。
まぁそんな生活ももう慣れてるけど。
「じゃあ30分後家の前集合な。適当に商店街でも歩けばなんとかなるだろ」
いつも通りいつまでも行き先が決まらない。
そんなの分かりきっていた。
いつも通り俺は適当に提案した。
「おっけー!じゃあ準備してくるねっ」
「財布忘れんなよ」
「わかってるよ!そこまでバカじゃありません〜、こうちゃんこそ寝ぼけてズボンのチャック全開で来ないでよねっ」
いーっと顔をしかめて走り去って行く渚。
「かわいくねぇー」
そんなこんなで俺の中学最後の物語が始まった。