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38プレイ 同志の役割

……そこには、見慣れた顔が4つ。

……そこにはただ純粋な殺意があるのみ。

……彼らは誰も信じない。

……誰も信じてはいけない。




・・・・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・

・・








「はい。ではTRPG、始めて行きましょう!どうも、同志ミュラーです!」


「…………あっ、なんか急に始まった……。パラノイアです」


今日はジンさんとその知り合いを集めて、ゲーム内でTRPGを開催することにした。

動画的に、たまにはこういうネタ的なのも挟まないと。

箸休めみたいなものだ。



「あー、私は彼らにいきなり強制連行されて来た、ジンだ! よろしく!」


「あのー…その言い方だと、俺達が犯罪者みたいな扱いになるからやめようね?」



あぶないから。

俺、視聴者さんに誤解されっから。



「あ、どうも。ジンさんの保護者役で来ました、サトウです」


「よろしくお願いします」


この人はたまに見かけるがとても良識のある人だ。

頼りにしてますよ、保護者。

あと、ツッコミもね。



『暇なので、とりあえずついて来ました。語り部です』


この人は...。


まぁ、サトウさん。

この人の監視もよろしくお願いします。




「はい、では今回は僕がKP勤めさせていただきます」


「よろしく、パラノイア君」



導入部分から。




・・・私達5人は幼馴染で、パラノイアの誘いで久しぶりに全員が集まる事になりました。積もり積もった話もあらかた済み、ちょうど話のネタがなくなった頃に僕が「思い出の場所にまた行かないか?」と誘って、5人の思い出の地である神社へと向かいます。




「なるほどな」


つまり、ここの神社が舞台というわけか。



パラノイア君のRPから始まる。


「えー、では僕から… ここには中学の時によく集まったよな...。でも、知ってるか?ここにはとある秘密があるんだ?」


お、ふつうにRPうまい。

パラノイア君に演技の才能があったなんて。


「なんだ?」


そこに違和感なく返す。

といっても、三文字。



「この神社はな?深夜0時きっかりに中から不思議な声が聞こえるらしいんだ…」


『へー』


棒読みだな、語り部さん!


『じゃあ帰るか。怖いし』


これが一番早いと思います、じゃないから。

ちゃんと遊ぼう?



「なあ、KP」


そこでおもむろにジンさんが疑問を呈する。



「不思議な声が聞こえるのは、確か深夜0時ピッタリだったよな?」


「はい」




「深夜0時に人里から隔離された神社で男4人に女子1人はなかなかに危ないと思うぞ?」


いや…そうだけど。

ゲームだから、多少はね?


「あ~...そうですね。では、誰かひとり指名してください」


あるぇ~?パラノイア君?

何をする気だ?


「?...じゃー、サトウで」


「では、サトウさん。POW×5でダイスを振ってください」


POWとか、嫌な予感しかしないんだが…。




「ん?あぁ、ダイスね...あ...97」


ファンブル!

なんか、嫌ーな予感がする!


なんで、こういうときに大事故を!



初手ファンブルは詰んでるから。



「では、昔からジンさんに一途な好意を抱いていたサトウさんはこういう状況も働き、一つ行為に至ろうと堂々と襲い掛かります」 


待て待て待て待て待て待てーー!!!!


「アウトだから!!完全に絶対アウトだから!!」


いや、うまくないから。

全然うまくないからね?



てか、なにその状況。

ひどすぎるでしょ。


動画化できないよ…



「なるほどな」


「なに、納得しちゃってんですかジンさん」




「よろしい、ならば……戦闘だ!!」


「話を全く聞いていなかった!!」


全くよろしくない!



「という事で、戦闘が始まります」


「どういう事だ!?」


全くもって、サトウさんに同感だ。


なぜ、KPは戦闘を許可したんだ…。


「ではDEX順に」


『僕が一番高い』


……出たな、問題児…。

てか、俺たちも戦闘に参加するのか?



『では、僕はジンに【説得】します』


説得?

するんなら、理性を失ったサトウさんにじゃないのか。



「成功ですね。どういうふうに説得しますか?」





『仕方ない。僕が女子になって均衡を図ろう、って言って【変装】ロール』



コイツ頭おかしいな。

いや、一周回って天才…なのか?



「あ、クリティカル」



えぇ...なんでこんな生産性もないところでクリティカル?

ただただ運の無駄使いなんだけど。


「あなたは完ぺきに女性に変装しました。どこからどう見てもそれは女子であり、疑う人は皆無といってもいいでしょう。それを男性だと疑う人は新宿2丁目の何処かにに在住しているかもしれません」


後半、絶対いらんでしょ。



『ほら、ジンこれで均衡はとれた。だから、僕のことは先頭に巻き込むんじゃない』


「えっ?あ、ああ。そうだな」



丸め込まれた...。



「では。次にジンさん。どうしますか?」



「そうだな。では【こぶし】で」


なんの躊躇もなくこぶしを選択するところ...。

まぁ、ジンさんクオリティだな。



「成功ですね。3のダメージです」


「えぇ...結構でかいな...。残り8」


てことは、POWは11か。




ど真ん中だな。



「では、サトウさん。どうしますか?」


「じゃあ、どうにか理性を取り戻そうともう一度POWで振ります」


「どうぞ」



そこでサトウさんがダイスを振る。

戻ってくださいよ。

サトウさん。



「成功です。では、サトウさんは正気に戻ります」



「は!?俺は何をして...」




「良かった...」


これで戻らなかったら、女装した男子一人と襲い掛かろうとしている男子一人に囲まれた状態でRPしないといけないところだった。



「では、神社に向かいましょうか」


『おけです』





・・・では、私達は神社の本殿の前にたどり着きました。そこは数年前と違い少し古ぼけた印象を与えます。そして、さっきの話を聞いたせいか中に恐ろしいものがいる気配を感じ取ります。また、声がかすかに聞こえた気がしました。



「SANチェックです」


あれ?

パラノイア君、ちょっと楽しんでない?



『語り部、成功です』


「ジン、失敗だ」


「サトウ、失敗です」


「ミュラー、失敗です」


「パラノイア、失敗です」



なんか、語り部さんだけ成功してる...。


「では、語り部さん以外1d6でSAN減らしてください」


1d6て。

どんだけ気配に怯えてるんだよ。



で、俺は...。

4だ。

地味に痛いな...。



「中から不思議な気配を感じるぞ...」


「やっぱり、うわさは本当だったのか?」


『あぁ、気配を感じる...とても心地良い』


もはや狂ってるな。


で、サトウさんは?


「あ、5だ、俺...」







え?



なんだって、サトウさん?

ちょっとあなたダイスに見放されてませんか?



「では、アイデアロールします。ダイスをどうぞ」


「まじですか...あぁ、成功しちゃったよ」


おいーーーーー!!




「ではあなたは一時的発狂します。1d10でどうぞ」


「10です」



「ではサトウさんは昏迷状態になります。一時的に幼児のような状態になり、言語を話せません」


最悪だ。



「うーー、うーー」





『じゃあ、行くか』


この状況で進むとか...。



「語り部さんは何をしますか?」


『そうですね。では、本殿の扉を破壊します』


開かない!

初手で壊すんだね!





さて、サトウさんが使い物にならない今。

俺は何をするべきか。




そう、俺の役割は唯一の常識人としてこいつらを制御すること!







できなそうだけど...。





器物損害の罪に問われる場合がありますんで。

良い子は真似しないでください、ね?




良い子じゃなくてもしないでくださいね。

揚げ足取らないでよ?

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