2プレイ ジン。
1
それでは、今回の冒頭では二人目の主人公となる人物の紹介をしよう。
前回は、僕が中心だったからな。
今回はこいつ中心で話を回そうと思っている。
それでは、少し紹介だけ。
今回の主人公。
その名を、中条仁。
「深淵の管理者」という二つ名を持ち、近所の人からは頭のおかしい少女だと恐れられている。
「自分には、深淵を管理する義務がある」とか「我が名は仁!深淵より来たりし者!」とかが口癖。
いや、もうわかると思うけどこいつはアレだ。
14歳頃の少年、少女に見られる黒歴史自動生成病、THUNIBYO。
一生治ることのない恐ろしい病気である。
実年齢16歳、精神年齢14歳。
少しだけ、お得感。
…とか、言っちゃったりして。
ま、いいやそんなこと。
それじゃあ、僕の話はここら辺にして、その中二病のパートに入るとしよう。
そこでは僕は登場しない。
つまり、ナレーションも中条仁の思想からなるものだ。
まぁ、温かい目で見てほしい。
2
我が名は中条仁。
真の名を『深淵の管理者』という。
大抵の一般市民はこの名を聞くだけで、私に近づいてこなくなる。それだけ、恐れられているのだろう!
ま、少しだけ…少しだけ悲しいが。
それはそうと、私は今、今日発売されたアナザーアースというゲームを手にもって家路についている。
私は電子遊戯は好きだ。!
それを手に家に帰る。
「唯逝魔!」
「はいはい、お帰り...」
応えたのは、私の母だ。
いつも私をみて憂いの視線を向けてくる。
何故かはわからない。
私の事ではないことだけはハッキリしている。
ま、別にいい。
私はこの遊戯を全うしなければいけない。
ハードにソフトを入れて…。
よし、それでは起動。
「目覚めよ!深淵の管理者の名のもとに命ずる!!」
ウィーン...。
...成功のようだ。
ふ、造作もないことよ。
さて、それでは始めるか……
『このゲームは完全マルチ制です。ネットワークに接続して下さい』
何だと……。
ネット、ワークだと...。
汚い、汚いぞ!!
私の家にはネットワーク、つまるところ…え〜と…そう!『空間の伝達者』がない。
く、これではこのゲームをすることが出来ない!
どうするか...。
私はマルチゲームはあまりしない、というか全くしないからこれは完全に予想外だった。
仕方がない。
「母!」
「何?また新しい二つ名でも考えてきてくれたの?前の刃覇とかいうやつ」
いや、違うが。
「いや、欲しいなら今生成する」
特に今はストック無いが。
「いらない。で、何?休日くらいゆっくりしたいんだけど」
ふむ。
なんと自堕落な発言だ。
堕天してしまうぞ?
まぁ、いい。
「ネットがほし…」
「無理」
えぇ...即答...。
「えぇ、なんで~?」
「こらこら、キャラが崩れてるよ。ま、そうだね家計的にね。この家全員ほとんどネット使わないしね。てか、使えないし」
ぐぬぬ...。
手ごわい。
「それでも!私の新たなる冒険に大切なものなのだ!」
「ふ~ん、そのなんだっけ...えっと、何とかの何とか...」
二つ名のこと?
「そうそう、新鮮の管理者!」
「深淵の管理者!」
私の真名が冷蔵庫みたいな名前になってしまった。
なんか、冷蔵庫の見出しでありそう…。
「あっそうだ!じゃあ、その深淵の管理者をやめるってなら考えるよ?」
え、嫌なんだが?
無理だな!
「私が管理者を辞退することになればこの世界は大変なことになってしまう!」
「大丈夫、大丈夫。この家の食糧は私が守ってあげるから。その新鮮の管理者も引き継いであげるから」
「ち、違わい!深淵の管理者だし!」
わたしは、そんな野菜とか新鮮に保っているわけではない。
馬鹿にして!
「ふーん。じゃあ、ネットなしね」
それは困る!
「ぷりーず、うぇいと!」
「完全にひらがな発音だね。本当に16?」
勉学は苦手だ!
「そ、それでは...前向きに検討し、善処すると誓う!」
「それ、絶対しないってやつじゃん」
ば、バレたか!
こころを読まれたのか!
く、手ごわい。
「で、では...徐々に改善すると誓う」
「ふむ。わかった。仕方ない。でもその言葉絶対ね」
ふふふ!
説得に成功した!
これで私は交渉の力を手に入れた。
「そのかわり、これからなんか問題が起こったら、その月のお小遣い...没収」
「なんてことを!?」
き、汚ない...。
私の純情を利用して...!
ふぅ...。
これからは、憎悪と畏怖の念をこめてこう呼ぶとしよう。
『霸破』と。
いったら、怒られそうなので、心のなかだけで、だけど。
3
ま、主人公の話はこれくらいでいいだろう。
見ていると、こっちが恥ずかしいくらいだ。
てか、『深淵の管理者』てなんだ。
深淵ってどこだよ。
管理者ってなんのだよ。
ま、いいや。
いいたいことは山積みだけど、今は僕は彼女のことを知らない設定だ。
忘れてくれ。
よし、忘れたね?
そのころ、僕はアナザーアースの世界を探検してみることにした。
まだ、慣れていないし、確認しながら。
初日は、全員が初心者としてちょっとしたサポート機能が付く。
HPが数値化されたり、PKされなかったり。
ま、いろいろと。
なるほど、だんだんつかめてきた。
まず、これはサンドボックス要素が豊富だ。
というか、大抵のことはなんでもできる。
家を建てたり、食事を作ったり。
物理演算も搭載しているらしい。
そして、ゲームではお約束。
モンスター。
モンスターは一応いるが...ほとんどが実在の動物の進化版みたいなビジュアルだ。
試しに、虎っぽいモンスターと戦ってみたが...ありゃ無理だ。
脇腹に噛みつかれて乙った。
5メートルは吹き飛んだね。
ゲームだけど、なんか厳しい。
そりゃ、そうか。
野生のトラに噛まれたら死ぬわ。
現実的に考えて。
とりあえず、そこら辺の狐みたいなのから狩ることにした。
虎の威を借る狐。
虎を狩れない僕。
虎がいなければ楽勝だ。
そっと近づいて、餌を与える動作をする。
持っているのは鳥じゃなく石だけど。
警戒しながら近づいてくる。
十分近付いたいたところで...。
おもむろに立ち上がり、
思いっきり頭に石を投げる。
狐はよけきれず、直撃し絶命した。
『経験値を10獲得した』
我ながら残忍な倒し方だ。
まぁ、生存競争は強者が残るものだから、仕方ないね。
『精神を80消費します』
あ、なんか消費したんだけど。
後で調べてみると精神とはそのプレイヤーの心の状態であり、最大100。
0になった瞬間一時的に精神不安定状態に陥るということ。
まことですか。
うんまぁ、動物殺したら、そうなるだろうけども。
えらく現実的というか、厳しすぎるというか。
ゲーム制作者の「動物愛護団体は怖いんだぞ!」という声が聞こえる気がした。
ま、いいか。
なんか経験値とか手に入れたし。
これはレベル制で経験値を手に入れるごとに少しづつ、体力とかが上がっていくらしい。
筋トレとかも出来るそうだけど。
今のレベルは当然1。
雑魚中の雑魚だ。
装備の概念もある。
しかし、今の装備は○ニクロのTシャツとジャージ。
生活感がすごい。
えぇ...なにそれ...。
なんか一気に現実世界に呼び戻されたんだけど。
しかも、これはスキャンではなく、このゲームの仕様ときた。
なんてこったい。
世紀末にTシャツとジャージはやばいですよ。
場違い感がすごい。
「現ー!昼できたよー!」
おっと現実のほうで呼び出しだ。
腹減ってないけど、ここらで中断して飯食うか。




