男は転生する3
『ついでに刀を腰に差せるように、特別の帯を与えましょう。このままでは刀が落ちてしまいますからね。』
確かに、30貫近くある重さの刀を腰に差そうと思うと普通の帯じゃ支えきれないだろう
男は、女からもらった帯を腰に巻き刀を差す。
「おお…」
刀は、ズレることなく腰にしっかりと収まる。
『これで、準備は完了ですね。』
女は、そう告げると床が光り出し、奇妙な紋が浮かび上がる。
『申し遅れたけど、私の名前は【ゼアラ】。あなたがいた世界と混沌の世界を繋ぐ神!私は、あなたが世界を救い、民を導き、混沌の満ちた世に光を照らすことを祈ります!もしかしたら、昔のお仲間に会えるかもしれません。ですが、その方達は別人であり、本人です。それだけは理解してくださいね。』
「ああ、わかった。行ってくるよ!ゼアラ!」
『それと…次、会うときはあなたが世界を救う時です。その時はゼアラ【様】とつけなさい。』
「はいはい」
男は、腰の刀の柄を撫でながら苦笑する。
『最後に、あなたは今の名を捨て【神名】を与えます。この【神名】を名乗るかぎり、あなたは神の使者であり、私の【恩恵】は続きます。』
では、行ってきてください。
我が使者【ヨミ】
男の意識は、そこで途絶えた。