1
1
俺の名前は一条。18歳で学生だ。今は事情により学校はしばらく休んでいる。将来の夢はゲームクリエーター。そのために色んなゲームを買って研究している。いらないハードは分解して機械の構造を見たりしている。これが意外と楽しかったりする。今日は新作のゲームを買いに行くつもりで久しぶりに外に出た。
しかし、そこで交通事故に遭い俺の人生は終わった……はずだった。
神1「おめでとうございます。あなたは七人の内の一人に選ばれました。異世界に転移できます。」
今の俺の目の前には神を名乗る者がいた。その者によると俺はよくネット小説などである異世界に転移できるらしい。それに加えよくあるチート能力をおまけでついてくるらしい。
神1「あなたには異世界で同じ異世界転移者を六人全員見つけ倒してもらいます。手段は問いません。現地の人と協力しても構いませんし他の異世界転移者と協力しても構いません。最後に生き残った者が勝者です。あなたは最初の転移者、一人目となります。もらえる能力は一番低い位のものですが二人目よりも早く異世界に行けます。二人目が来るまでに準備などができます。勿論、転移者七人そろう前に何人か倒しても構いません。質問はありますか?」
一条「倒すってどうやってですか?」
神1「殺したらいいだけです。正面からでも不意打ちでも構いません。」
一条「それって俺が六人を殺せってことですか?」
神1「そういうことになります。でも、あまり気にすることないですよ。異世界で人殺しても大したことではないし、ゲームと思うと簡単です。それに最後の一人には元の世界に戻れる権利とたった一つどんな願いでも叶えることができます。」
俺は最後の言葉に揺らいでしまった。どんな願いでも……。しかし、それは六人の人を殺すということになる。たとえ舞台は異世界でも元は同じ人間。ただの学生が人を殺すなんてできない。
一条「拒否権はないんですか?」
神1「ないです。人を殺すのが嫌なら一番最初に殺されることですね。他の六人はあなたを狙っていますから。」
ルール説明は大雑把にして強制参加ということらしい。それと俺の能力は心を読む能力。二人目から順にこの能力よりも基本強力なものということになる。だが、完全上位の能力ではないため戦い方次第で一人目の能力で七人目の能力に勝つこともできるらしい。
神1「それではご武運を。」
そう言われて俺は異世界に送られることになった。よくある異世界転移とは少し違って同じ転移者を殺すために送られた。
殺さなければ生き残れない。よくあるデスゲームみたいだと俺は思った。実際に舞台は違えどルールは似たようなもの。この時の俺はまだ何の覚悟も持っていなかった。
神1(この子に賭けるしかないですね。せめてビリだけは避けてほしいものです。)