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再召喚された英雄の過去めぐり  作者: Pinekey
2章 伝説の武器を求めて
47/54

試験

ふう、なんとか更新です。

この章の流れが自分の中でようやく固まりました。

ただ、ストーリーは出来ても寒くて手が動かないんです。

......すみません。

「あの...とりあえずこの子達の冒険者登録を済ませてもいいですか?」

「はっ、すいません。どうぞお通り下さい。」


そう言ってデリア男爵家の人は道を譲ってくれる。ギルドの中に入ると、一瞬鋭い視線を受けたものの、後ろにいるこの人のお陰ですぐに逸らされる。

貴族の威光ってすげー。


「すみません、この子達の冒険者登録をしたいんですが。」

「あ、はい。登録する為には試験を行います。

試験の選考料として1人につき銀貨2枚を頂きます。」

「これでいい?」

「あの...4枚しかありませんが?」

「私はもう冒険者だよ。」


アイテムボックスから金色のギルドカードを取り出す。

そういえば金色に見えるように幻影魔法がかけられたまんまだったっけ。


「き、金色!?すみません!とんだ失礼をっ!」

「いや、私が弱そうに見えるのは仕方ないと思うから。」


だからデリアさん、後ろから殺気を飛ばすのはやめて下さい。

受付嬢さん気付いてないけど。


「それでは試験を行わせていただきます。お二人はこちらへどうぞ。あの...」

「あ、私はついて行かなくても大丈夫?」

「はい、ここから先は試験官が試験を行います。なので付き添いの方はそちらで待っていただく形になります。」

「それじゃ、どこか訓練ができる場所とかないかな?」

「そちらの階段から地下に行けますので、宜しければどうぞ。試験が終わり次第、2人はそちらへお連れいたします。」

「了解。それじゃ、えっと...」

「ヨーグです。」

「ヨーグさん、とりあえず訓練場に行きましょうか。」

「はい。」


んー、なんか前と反応が変わっててやりずらい。




ーーーー




「それでは、前に戦った時と同様に。」


そういって私は模擬戦用の剣を取り出す。

「アイテムボックス...」と呟いているが無視する。


「いつでもどうぞ。」


その言葉にはいと答えてからヨーグさんが剣を構えたので私も同様に剣を構える。


「...はッ!」


素早い踏み込み。

この前はイライドさんにボロ負けしていたのにそれにイライドさんに劣らない程のスビードだ。

突きを放って来たので受け流して横から魔法を放つ。


「カスタムファイア」

「っ、破魔(マジックブレイク)!」


火が消えた!?

ヨーグさんの言ったマジックブレイクという魔法?スキル?は私の魔法をかき消した。

言葉通り魔法を破壊する技だね。

前鑑定した時はそんなスキルなかったから魔法?


「次はこっちから!」

「っっぃいい!?」


連続で突きを放つ。

ヨーグさんは反応できずに攻撃をくらっている。


「あれ?痛くない...?」

「そういう剣ですからね。というか、確かに剣速や身体能力は上がってますが、イライドさんと同程度の早さしかありませんね。」

「あの...イライドさんはこの国で唯一の金の冒険者で...」

「それで?そのイライドさんと同程度だから私に勝てると?」

「いや...あの...」

「というか、さっきの見てなかったの?私のギルドカード。」

「え?」


私はアイテムボックスからギルドカードを取り出す。


「き、金色...」

「まぁ、正確にはその一個上なんだけどね。」

「それは...」


何ですか?とヨーグさんが聞こうとしてきた所で訓練場に5人の人物が入ってくる。

そのうち2人はエレンとエーリだ。


「これから実技試験を行います。金の冒険者の方の推薦という事で今回はギルドマスターに同席して頂きます。」

「ここのギルドマスターを務めているベスだ。ところで、君達を推薦したという人物は何処に?」

「リンカねーちゃんならそこにいるぜ。」

「リンカ...?」


あ、エーリとエレン以外の動きが固まった。

ザーラ公国はアルツ王国に近いし情報はもう伝わってると思うんだけど。


「どうも初めまして、リンカです。」


ギルドカードをギルドマスター...ベスさんに見せる。


「連絡のあった通りの虹色のギルドカード!では本当にリンカ様なのですか!?」

「うん。」


肯定の意味を込めて頷いた。すると


「「「ええええええっ!?」」」

「うわっ。」


ヨーグさん、ギルド職員だけでなく、訓練場内にいた周りの冒険者からも一斉に声が上がる。


「え、あの、イズール様に聞いたらイズール様の姪と聞いてたのですが...」

「うん、それは建前だね。私は正真正銘リンカだよ。だってほら。」


そう言って一瞬でヨーグさんの後ろに転移する。


「こんな事できる人いないでしょ?」

「うわぁぁっっ!?」


転移魔法を見て驚いたのか、それともいきなり後ろに立たれて吃驚したのか。


「ま、そんな訳だからさ。これからよろしく。」

「こ、こちらこそ宜しくお願いします!あ、あのですね...宜しければサインを...」

「あー、先にその子達の試験をやってもらってもいいかな?」

「ええ!勿論ですとも!なんならもはや合格でも...」

「いやいや、流石にそんな不正をさせてもらう訳にはいかないよ。ちゃんと試験を受けてもらうから。」


まぁ、試験をやったところで驚くのはそっちだろうけど。


「分かりました、では始めましょう。まずは、エレン君。」

「うす!」


エレンとベスさんが向かい合って模擬戦用の剣を構える。


「君は魔法は使わないんだったな。」

「はい!」

「それではどれほど剣術の腕があるかを見る。どこからでもかかってきなさい。」

「はい!...はぁっ!」


袈裟斬りの構えでエレンが突撃。ただし身長差があって剣はベスさんのお腹あたりに向かっていく。

ベスさんはそれを剣で弾く。...が、弾いた直後にベスさんは目を見開いた。

剣を弾かれたエレンは既に次の攻撃に入っていた。あれは弾かれると分かってて最初の攻撃を大袈裟にやったな。


「ふっ!」


エレンが今度は突きを放つ。

それを見て剣を躱すベスさん。けど、その直後にスルリとエレンがベスさんに接近する。

見ると剣をいつの間にか持ち替えている。まるでナイフを振るかのように、そのまま切りかかった。


「おおおおっ!?」


本気で驚いたような声を上げてベスさんが飛び退く。


「素晴らしい!剣の腕前は文句無しの天才だ。それに、小さな体を良く使った戦い方だ。」

「それじゃあ。」

「うむ、合格だ。」

「やったぜ!」


私はエレンに剣を教えてはいない。

でもあのレベルの剣の腕なら教えたら1年以内に神剣スキルを獲得できるんじゃないだろうか?

ちなみに神剣スキルは剣術スキルを5段階進化させる必要がある。


「つぎは、エーリちゃんと言ったか。」

「はーい。わたしはまほうとけんりょうほうつかうよ!」

「そうか...その年で魔法を使うのか...」

「お姉ちゃんが教えてくれたの!」

「!?...リンカ様に教えを受けた...だと?」


ベスさんが青い顔になる。

別にそんなに大したことはしてないんだけどなー。


「そ、それでは始める。くれぐれも人が死ぬような威力はやめてくれ。」

「はーい。それじゃー、いくよ。『ファイアーポール』『ウォーターボール』『アースポール』『ウインドボール』『ダークボール』」

「...は?」

「いっけぇー!」

「ちょっ、まっ!」


ドオオオオオン!

訓練場が揺れる。ベスさんは魔法を受ける直前に剣を盾替わりにしてた見たいだけど、大丈夫なのかな?


「だぁぁぁああ!死ぬかと思った!」

「おおー。」

「わたしのまほうどうだった!?」

「完璧だよ!エーリ!」

「この子は本当に8歳なのですか?」

「本当だよ。」

「ふむ...ここまで規格外な魔法の才能があり、その上リンカ様に教えを受けているとなると、他の国から...」

「させないよ。」

「え?」

「何があってもエーリに手出したらその国潰すから。」

「えっと...」


エーリになにかしようものなら...いや、エーリだけじゃない。あの孤児院の子達はもはや私の家族も同然。

なにかしようものなら本気で潰そうかと思えるくらいに大事だ。


「なんのはなしー?」

「何でもないよ。それで、試験は?」

「もちろん合格ですとも。これなら白と黒を飛ばして銅ランクからが妥当ですかな。」

「スキップできるんだ。」

「ええ、ですが普通はそれに見合う実力に加えて金ランクの冒険者からの推薦が必要ですが。」

「それなら問題ないね。」

「ええ、それではギルドカードを発行しますので上に戻りましょう。」


エレンとエーリは素直に喜んでいる。

非常に微笑ましい光景だ。

それを眺めていると、目の前にヨーグさんが立ち...


「...リンカ様!私にも!ぜひ私にも剣を教えてください!」


そういって土下座してきた。

イライドさんにも剣を教えた事があるので、適当に返事して暇があったらと言っておいた。

面倒くさかったというのが本音なんだけどね。

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