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再召喚された英雄の過去めぐり  作者: Pinekey
2章 伝説の武器を求めて
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孤児院のあれこれ

転移で王城に戻ってくる。

ちなみに、バルマさんの部屋ではなく私の自室(として与えられた部屋)だ。

ふぅ、と一息つく。


「ああああぁぁぁぁ恥ずかしいいいいぃぃぃぃ!!」


なんだ!さっきまでの茶番は!

考えてみたら前にもおかしなテンションでお嬢様っぽい事やってたよ。うわああああああ



「リンカ様、落ち着いてください。」

「うぅ...」


これは羞恥心と引換に女の子を助けたんだ、そう納得するしかない...うん。


「さて、リンカ様。私は執務に戻ります。また何かあれば遠慮せずどうぞ。」

「あ、はい。」

「あの...私達は...」

「君達の処遇はリンカ様に一存する。」

「おっけー。」

「わかりました。」


ぺこりと女の子とレガスさんはお辞儀をする。

それを見た後、バルマさんは部屋から出て行った。


「あ、あの助けていただいてありがとうございました!」

「気にしなくていいよ。あ、怪我治しておくね。」

「あ...」


ヒールで女の子の足の怪我を治す。


「ありがとうございますっ!私はニーラと言います。」

「いい名前だね。」

「身に余る光栄ですっ!」


ニーラは先程からずっと頭を下げている。

そろそろ頭あげてくれないかな?


「それで、ニーラはどうする?」

「えっと...私、スラムの出で、物心ついた頃から1人で暮らしてきたんです。」

「1人で?それにしては、言葉遣いとか丁寧だし身なりもちゃんとしてると思うけど...」

「その...色々あったのですが、最低限の礼儀作法はたまたま路地裏であった人に...」

「そうなんだ。」

「それで...私はどうしたら良いのでしょうか。」


あ、そうか。帰る家があの国じゃどう使用もないね。それに帰ってもスラムじゃあね。

それに、あの国に今すぐ行くとしたら私の転移が必要なんだし。


「ニーラはあの国に帰りたい?」

「いえ...スラムに帰ってもその日の生活で精一杯ですし、あの国は息苦しくて嫌なんです。

...あの!私を雇ってくれませんか!」

「雇う?」す

「私に出来ることなら何だってします!だから、この国にいさせて下さい!」

「あー、それだったら...」


私はニーラを孤児院に誘う事にした。

エレンとアンも同じくらいの年だし、丁度いいと思ったからだ。


「ザーラ公国の孤児院...」

「そう。私の知り合いが経営してて、私は資金援助をしてるの。私が頼めばそこで生活できるよ?」

「お、お願いします!」

「じゃあ、早速行こうか。」


レガスさんとニーラに触れた状態で転移する。




「よっしゃあ!俺の勝ちぃ!」

「くそー!最後の最後でぇぇ...」


孤児院の庭に出ると、ちょうどエレンとシズ(孤児院でエレンの次に歳が大きい)がオセロをしていた。


「あ、リンカねーちゃん。」

「あれ?その子誰。」


エレンとシズはニーラを見てそう口に出す。。

レガスさんは既に顔を見ているからまた来たんだって感じになってる。

ちなみに、私は子供達からは"リンカねーちゃん"、"おねえちゃん"と呼ばれている。

アンだけは"リンカさん"と他人行儀だけど...


「今日からこの子もここに住む予定だよ。」

「あ、えっと...」

「リンカねーちゃんがそう言うんなら誰も文句は無いよ。俺はエレン、よろしく。」

「ニーナ、です。よろしく...」


おやおや?ニーナが照れてる。

エレンに惚れたか?


「良かったね、ニーナ。カッコイイ男の子と握手できて。」

「ち、違いますよっ!...あ!すいません!」

「気にしてないからいいよ。」

「ち、違いますから!本当に違いますからぁぁぁぁ...」

「なんの話してんだ?」

「え、エレン君には関係ないよ!?」

「そ、そうか?...あ、とりあえず院長とアン呼んでくる。」


いやー、いいねいいね。

このままこの2人がくっ付いて孤児院を盛り上げてくれたら...うんうん。


「あ、おねーちゃん!」

「おっ、とと。ただいまエーリ。」

「おかえり!そっちの人は?」

「この子はニーラ、今日からここに住むんだよ。」

「そうなの?じゃあ、ニーラおねーちゃんだね!」

「お姉ちゃん...」

「可愛いでしょ?」

「はい...はいっ!」


ニーラ陥没。

うんうん、やっぱりエーリは天使だ。




ーーーー




「それじゃ、レガスさん。お元気で。」

「はい、リンカ様に出会えた事。一生の宝でございます。」

「そ、そう。」

「加えてこちらの腕輪。こちらは私が死んでも代々私の子供に継がせるとします。」

「そ、そう...」


うわぁ、目が本気だよ。

ってあれ?


「子供いるの?」

「はい、今は独立して冒険者をしています。妻は...」

「あぁ、言わなくていいよ。」


あの国の事だからなんとなく予想できるし。

ちなみに渡した腕輪は性能で言ったらそんなに凄いものでもない。

状態異常に対する中程度の耐性と5秒間だけの物理結界と魔法結界を起動させれる魔法を仕組んだもの。結界の強さは私のステータス参照。


「あ、そうだ。これも渡しとくよ。」

「これは...?」


渡したのはいつもの指輪


「それに魔力を流すとこっちにも合図がいくっていう物。この街にビルヘルマさんが来たらそれで知らせて。」

「なるほど、わかりました。」

「それじゃ、私は孤児院に戻るよ。」

「はい、どうかお元気で。」




ーーーー




さて、どうしようかな。

あの国には暫く用がないし、他のみんなはいないし。

そう思いながら庭でぼーっとしてたらエーリが近寄ってくる。


「おねーちゃん。私ね、冒険者になる!」

「うん?」

「だから登録に行きたい!」

「あぁ、なるほど。そうだねぇ...暇だし、行こうか。」

「やったー!」


大喜びするエーリは可愛い。

この世界にロリコンがいるかは分からないけど、いたら鼻血出して卒倒するレベル。


「あ、それなら俺も行っていいか?」

「エレン?」

「院長には言ってある。俺だって少しでもここの支えになりたいんだ。...リンカねーちゃんに助けてもらわなくても良いぐらい。」

「そう、いい心がけだね。良いよ、一緒に行こうか。」


まぁ言ってしまうと私達がここの孤児院にした事はお金をかけてやるとしたら一生かかっても返せるか分からない程...って言うのは言わないでおこう。

孤児院から出て歩きながら話をする。

ちなみにエーリには吸血鬼だとバレないために認識阻害のフードを被せている。


「なぁ、リンカねーちゃんって具体的にはどのくらい強いんだ?」

「んー、そうだね...少なくともドラゴンよりは強いかなぁ。」

「それは知ってるよ。だって本になってるじゃん。そうじゃなくてさ、もっとこう...」

「おねーちゃんのぼうけんのはなし?」

「そうそう、冒険の話だ。なんか昔やった凄い事とかないの?」

「って言ってもなぁ...」


私達は基本6人で動いてるわけだし、そもそもこの世界で何をやったかはまだ分かってない訳で。

それを説明しろと言われても無理なものは無理だ。


「リンカねーちゃんに倒せない魔物とかっているの?」

「タイマンならいない...かも?」

「え...ほんとに?」

「うーん...最近は本気で戦う事は無かったからなぁ。」


そういえばこの世界に来る直前にギルド対抗のPVPイベントの告知があったなあ。

あのイベントならもしかしたら本気で戦えたかも。


「それじゃさ、リンカねーちゃんのLvって幾つ?」

「えっとね、前見た時は164...あ、Lv上がってるや。165になってる。」

「ひゃ、165!?」

「お、スキルが増えてる。なになに...」


ーーーー

視覚強化・絶

視覚が大幅に強化される。

ーーーー


「なんともアッサリとした説明だ...っていってもあんまり変化なし...?」


もともと視力は高いし、特に変化は無い。

...はっ!もしかして幽霊が見えるようになるとか?


「Lv100超えなんて聞いたことないや。」

「ドラゴンとかは普通に100とか120くらいあるけど。」

「そりゃ魔物だからでしょ?街の見張りの人だって30とかだって言ってたぜ?この国の冒険者の中で強いひとでも45って言ってたし。」

「へぇ...」


ザーラ公国の冒険者で強い人と聞いて地面に突っ伏するイライドさんが浮かぶ。

もしかしたらいるかもしれないね。


「あ、見えた。あそこが冒険者ギルドだよ。」

「へぇ、アルツ王国の王都にあった建物とほとんど同じ大きさだね。」


あそこが本部って言ってた気がするけど、支部と大きさは変わんないのかな?


「おねーちゃん、はやく行こ?」


エーリが待ちきれない、と言った様子で私の服を引っ張る。


「まぁまぁ、そんなに焦っても冒険者ギルドは逃げないよ。」

「そうだぜエーリ。それよりも試験官の驚く顔が目に浮かぶぜ。」


私は特殊だからちゃちゃっと登録できたけど、普通に登録する場合は試験を行うらしい。

試験内容は実技と文字の読み。

文字は書けなくても読むことさえできればいいらしい。

で、エーリとエレンは2人共文字の読み書きができるからあとは実技なんだけど...


「やけに自信ありげだね?」

「まぁな。まぁエーリはリンカねーちゃんに鍛えてもらって魔法も使えるから平気だと思うけど、俺だってギリーさんに剣を教わってるんだ!」

「へぇ...」


こっそりとエレンを鑑定する


ーーーー

エレン Lv.1


ステータス略


スキル:

火魔法Lv.0

白魔法Lv.0

光魔法Lv.0

剣術Lv.6

ーーーー


「へぇ、本当に剣術習ってるんだね。」

「え?」

「いや、鑑定したら剣術のスキルレベルが6だったからさ。」

「な、何勝手に見てんだよ!」

「まぁまぁ、減るもんじゃないし。それにしてもエレンにも魔法の適性があるんだね。」

「本当!?」

「自分のステータス見てないの?」

「え?ステータスオープン...剣術しかないけど?」

「へ?」


...ということは、これは私の鑑定で潜在的な適性を見れたって事か。


「エレンには火、白、光魔法に適性があるよ。」

「お、おお...」

「しろまほうとひかりまほうかぁ...私も使いたかったなぁー。こう...ぴかっ、とするやつ。」

「エーリは4属性と闇魔法がピカイチだったからね。」

「ちなみにリンカねーちゃんは?」

「全部。」

「...ぐぅ。」


私の場合はゲームのシステム的に取ったから適性も何も無いけど...って、レベルが上がったならスキルポイントがある筈!

また後でスキルリストからなにか習得できないか見ておこっと。


「ねーちゃん、前!」

「え?...うわっぷ」


考え事をしてたら目の前に壁が!

っと思ったら人だった。しかもかなり見知った顔。


「...あ、ああ、あああ!」

「えーっと...」

「り、リンさん!私ともう一度手合わせをしてください!」


私を見ていきなり頭を下げたその人物は、デリア男爵家とかいった貴族の男性だった。

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