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再召喚された英雄の過去めぐり  作者: Pinekey
2章 伝説の武器を求めて
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思わぬ拾い人

すこし更新が不安定です。

連日投稿になったり、数日空いたりとするかもしれませんが、ご了承ください。

2日目

今日も私は空を飛んでいる。

太陽もかなり高い位置にあり、もうお昼頃だ。

ちなみに、太陽とか星とか何故か地球と全く同じ仕組みと思われる。

見た事のある星座もあったし...


まぁ、そこら辺の謎はさておき。

視界のギリギリに街が見える。そろそろ目的地に近いと思うからここら辺で降りてから正確な場所を聞こうと思う。

という訳で、不自然じゃないぐらいの位置に着地してからレティウスとの合体を解く。


流石に遠いからまだ私達の話は伝わってない筈。

今なら存分に観光ができるかもしれない。

そんなことを考えながらレティウスに跨って道を進む。途中、商人か何かの馬車を追い越すと、御者の人に驚かれるけど無視していく。

レティウスの足の速さは普通じゃないからね。


門の前には列ができていた。

冒険者のような姿の人から、馬車を何台も連ねている人。見るからに豪華な馬車等も並んでいる。

でも、貴族だからとか関係なくちゃんと並んでいるあたりは良い貴族かもね。


「長いですわ!いつまで待たせるつもりですの!?私はレバースト伯爵家の者ですわよ!」


前言撤回。

やっぱりダメな貴族だった。

ちょっとくらい待てないのかな?結構なスピードで審査通ってるし、10分もかからずに通れると思うんだけど。

そんなことを考えていると、通行チェックをしている受付の兵士の中の1人が進み出てくる。


「これはこれはお待たせしてすいません。ささ、こちらへどうぞ。」

「ふん!遅いですわ、もっと検問をする人数を増やした方が良いのでは無くて?」

「これ以上は、人手が足りませんので...」

「なら、休んでいる者も働かせれば良いでしょう!どうせ貴方達は4級か3級国民なのですから。」

「えぇ、そうでございます。申し訳ございません...」

「分かったら良いのですわ。早くチェックを済ませて頂戴。」

「ははっ、失礼致します。」


...なんかいろいろ気になる会話だったけど、この街もしかしたらやばいのかも知れない。

3級とか4級とか言ってたけど、ランク付けがあるのか。

この街に住んでない人は...4級?

もしかしたらその下もあるのかもしれないし、何かがあって1級とか2級になるのかも知れないけど。

まぁ、ここでの目的はルドリアル神聖国の場所を知る事だから、あまり気にしなくても良い...筈。

...フラグ?なんの事?


「次。」

「はい。」

「通行証を。」

「これで大丈夫ですか?」

「む、アルツ王国の者か......!?」

「どうかしましたか?」

「失礼致しました。確認ができましたので、お返しいたします。ここはルドリアル神聖国の最北端の街なので入国料として銀貨5枚。加えて街への滞在料として銀貨1枚を支払っていただきます。」


銀貨5枚!?...他に比べると随分と高いね。

普通なら銀貨2枚とかなのに。


「高くないですか?」

「と、言われましても規則なので。もし払えないようでしたら此処をお通しする事はできません。」

「いや、払うよ。...はい。」

「はい、頂きました。ようこそ、ルドリアル神聖国へ。」


...うわぁ、ルドリアル神聖国が思っている以上に開幕から酷い予感がする。

それにしても最北端か。

とりあえずお昼ご飯を食べに孤児院に戻りたいけど...あ、いい感じに周りから見えなさそうな路地を発見。

路地に入り込んで何回か道を曲がっていく。

付けられてないね、大丈夫。

よし、転移を...って、前に人が倒れてる!?

後ろは気にしてたけど前は気にしてなかった...


「...み、」

「み?」

「み、水...」

「水が欲しいの?」


どうやら行き倒れの人だったみたいだ。

一応助けておこう。


「"カスタムウォーター"...はい、どうぞ。」


アイテムボックスからコップを取り出して、カスタムウォーターでコップ1杯分程の水を出してから渡す。


「ありが、とう...」


その男性はゴクゴクと水を飲み干す。

水を飲み終えると、ぼーっとした目でこちらを見る。

そして、急にハッとした顔になって頭を下げる。


「あ、ありがとうございます!このご恩は...」

「あぁ、そういうのいいから。」

「えっと...ですが...」

「たまたま見かけただけだからね。次からは倒れない程度にこまめに水分補給した方がいいよ。それじゃ。」


そう言って立ち上がって路地を進もうとする。

少し離れてから転移しないと。


「お待ちください!」

「...何?」

「...この先は危険です。貴方の様な小綺麗な姿をしていては、スラムの住人に襲われてしまいます。」

「あ〜、そう。じゃ、戻るね。」

「あの、良ければ私が案内致しましょうか?その路地の事なら割と詳しいつもりですし。」

「いや、いいよ。」

「あぁ!安心してください、私は信頼してもらって大丈夫です!なんせ情報屋ですからね!」


聞いてない...というか、この人が私の話を聞いてない...

うわぁ、面倒臭いのに捕まった。

というか情報屋って言われてもねぇ。

あ、いや。丁度いいや。

せっかくだし、この国の事を聞こう。


「それじゃ、ちょっとだけ質問させて貰ってもいいですか?」

「ええ!命を助けてもらった御恩がありますから、今回は無料で情報を提供させていただきますよ!」

「えーっと、この国の事を知りたいんだけど―――」


そのタイミングで男の人のお腹がぐぅーと音を立てる。


「...」

「す、すいません!つ、続きをどうぞ!」

「いや、先にご飯を食べようか。」

「え、いやでも...」

「どうせもうすぐ広まるんだしいいよね。」

「え?」


面倒臭いから予定変更。

このままこの人ごと孤児院に転移する。

私の正体を明かした後、ルドリアル神聖国の話を根こそぎ聞く。

私は情報を手に入れられてラッキー。

この人は私の存在をスクープに出来てラッキー。

これでwin-winの関係だ。


「飛ぶよ。」

「え?」


私は男性の方を掴んで空間魔法で孤児院に転移した。




ーーーー




「よいしょ。」

「うわぁ!?」


ドサッ、と地面に顔から落ちる男性。...名前聞いてないな。


「大丈夫ですか?」

「いたた...だ、大丈夫ですが、ここは一体?」

「話すことが幾つかあるんでとりあえず聞いてもらえますか?」

「え?あ、はい。」

「まずは...」


1通り現在の状況を説明する。

纏めると

・ここはザーラ公国で、そこにある孤児院

・私はリンカであること。

・今さっきのは空間魔法による転移だということ。

と、こんな感じ。

で、この人の名前はレガスというらしい。


「と、証明方法は転移魔法くらいなんだけど、信じてもらえますかね?」

「...」

「あの...」

「はっ!あ、あ、あの...」

「はい?」

「ありがとうございましたッ!英雄様に命を救われるとは、ルドリアル神聖国の国民として、何よりも勝る名誉でございますっ!私に出来ることならなんなりとお申し付け下さいッ!」

「あ、いやそこまで必死にならなくてもいいんだけど...」

「いえ!これは私にとっては一生の幸運を使い果たしたと言っても過言ではないかも知れません!それ程までに尊き方なのです!」

「うわぁ...」


おっと、思わず口に出ちゃったけど、ほんと宗教って怖いわぁ。


「あれ...リンカさん。お帰りになられたんですね。」

「うん、ちょっと今日はもう一人いるんだけど大丈夫かな?」

「はい、大丈夫ですよ。」

「そもそも六英雄の皆様方は...」

「ていっ。」

「ぐはっ...これは、むしろご褒美...」


何を言ってるんだこの変態は。


「ささ、早く入って。話を聞かなくちゃいけないんだから。」

「ええ!もちろんですとも!なんでもお聞きください!」

「あぁ...やっぱり、連れてきたの間違いだったのかなぁ...」


本当になんで、こんな変な人拾ったんだろう。

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