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再召喚された英雄の過去めぐり  作者: Pinekey
1章 魔王国家スタートってマジですか
32/54

報告して帰る

「お姉ちゃん、今度剣の使い方を教えてね!」

「うん、良いよ。」

「私、お姉ちゃんみたいな冒険者になる!」


ぐっとちっちゃい手を握りしめるエーリ。

微笑ましいなぁ。


「それじゃ、アルジーネさん。とりあえずこれだけ渡しておきます。」

「有難うございます...!?」


金貨50枚ほどを袋に詰めて渡す。


「こ、こんなに貰えませんよ!」

「いいからいいから。」

「でも...流石に...」

「貰っておいたらどうですか?」

「ギリーさん...」


そうそう、あの警備騎士の人の名前はギリーって言うらしい。

本当はそこの協会に派遣されてる警備騎士らしいんだけど、ここのアルジーネさんの旦那さんとは友人だったらしく、ちょくちょく気にかけてくれてるらしい。


「何が何でも貰っていただくんで。」

「...わかりました。」


アルジーネさんがやっと折れる。

子供達には不自由させたくないしね。


「それにしても、先程の肉は美味しかったですねぇ...」

「こういうのは皆で食べるから美味しいんだよ。」

「それもありますが...あれは何の肉何ですか?」

「聞きたい?」

「......聞きたいです。」

「天然物の龍姫牛の肉だよ。」

「龍姫...牛!?」

「あの龍姫牛ですか!?」

「そうそう、まだ沢山あるよ。」


龍姫牛は、『レジェンド』のイベントで出てきた超美味しい敵モブだ。

リアルの肉よりも美味しい肉ということで大人気だった。

美味しかったからついついイベント中に乱獲しちゃったんだよねぇ。

ちなみに、それなりの強さがあるから、ゲームでは食材が手に入れられず食べることができない人が続出した。

私達が乱獲してる所をみた人が、高額で売ってくれと頼み込んできた事もあったし、PKしようとしてきた事もあったけど、全部返り討ちにした。

龍姫牛倒せないのに、その龍姫牛を乱獲してる人達をPK出来ると思ったのかね?


「えーっと...あれって、100gで金貨10枚くらいの価値があったと思うんですが...」

「細かい事は気にしちゃダメだよ。」

「いや、全然細かくないんですが...」


一般に出したら大変な事になりそうだね。


「本当に何者なんですか...貴女は。」

「そうだね...1ヶ月後ぐらいには分かるんじゃないかな。」


明日の昼頃にはガンド達も多分アルツ王国に着くと思うし、そこからいろいろと話を詰めて私達の事を発表して、近くの国に出向く事になるだろうし。

そうしたら、多分1月くらい経ってるんじゃないかな。


「...お姉ちゃん、この人に似てる。」

「ん?」


エーリが、絵本を取り出して、見せてくる。

そこには、黒目黒髪の女の人が刀を持って戦っている絵が書かれている。

まさかと思い、タイトルを確認

『六英雄伝説〜幻想の魔剣士編〜』

...私だ、これ。


「ふむ、確かに似てますね。そういえば、名前もリンさんでしたか。でも、まさか英雄が今まで生きてる訳ないですしね、あはは。」

「エーリは凄いねぇ。」


なでなで


「...え?」

「それにしても、そんな本まで出てるのかぁ...どうなってるんだろう?」


辻褄合わせというか、なんか都合のいいように過去が書き換えられてるみたいな...

本当に昔に私達がいたみたい。


「ぇぇぇぇえええええ!?本当に!?本当にリンカ様なのですか!?」

「そだよー。」


声大きいなぁ...遮音結界展開したままで良かった。


「ど、どうしてここに!?それに、伝説では数千年前に存在したって...」

「はいはい、ギリーさん落ち着こうね。」

「こ、これが落ち着いていられますか!?」

「大丈夫大丈夫。イズールさんは知ってるから。」

「イズール...さん?ザーラ大公様の事ですか!?」

「うん。あ、他の皆も一応いるよ。この国にはいないけど。」

「ほ、本当ですか!ではッ!ルスタさんのサインをいただけませんか!!私、凄く憧れてて!」

「いやいや、落ち着いてって。」

「あっ、し、失礼しました!」


アルジーネさんが置いてきぼりだよ。

ほら...


「英雄...?」

「お姉ちゃん凄い人なの?」

「そうらしいねー。」

「この人も凄いって、本に書いてあるよ。」

「その人が私だよー。」

「そうなの?...うーん、お姉ちゃんの方が小さいよ?」

「うっ...」


いや、そりゃね?本にしたら多少は美化されますよ。

身長なんて関係ないでしょ。


「リンさん...どういうこと?英雄って...いや、でも...あんな凄い...うえぇぇ...」


アルジーネさんが壊れた。

どうしよう。


「よし、とりあえずやらなきゃいけないことを片付けよう。

エレンとアンでアルジーネさんをなんとかしてあげて。

それと、また明日顔見せにくるからそれまでに何か必要だったらこれに書いといてね。」

「お、おう。わかっ...りました。」

「は、はぃぃ!」

「畏まらなくていいよ。」


エレンが萎縮しちゃってる。

そんな大層なもんかね?...大層なもんか。


「じゃあね、エーリ。また明日。」

「うん、また明日!」


エーリは普通に接してくれる。

みんなこんな感じにしてくれればいいのに。


「ギリーさん、それじゃ案内よろしく。」

「は、はい!」


私は、孤児院を後にした。





ーーーー





暫く歩いた所で詰所のような場所に到着する。

ここに来るまでに4人の男達を引っ張ってきたからすごい目立ってた。

でも、この4人は顔のしれた犯罪者だから半分くらいは感謝の視線だった。


「ギリーだ、火事場泥棒の4人組を捕縛した。」

「ん?...おお!?良く捕まえれたなぁ。」

「こちらの方が一瞬で倒してくれたよ。捕縛も同様。」

「気を失ってるみたいだが?」

「ちょっときついオシオキをしただけだよ。」


受付みたいな所の兵士の人が言うけど正直、あれは本当にキツイと思う。

ただ、ここまで起きないとは思わなかった。

死んではないからセーフ。...のはず


「...まぁ、正当防衛という事にしておこう。」

「あぁ。報酬金を用意してくれ。今すぐは無理だったら契約書を頼む。」

「何をそんな急いでんだ?」

「...言えない。」

「あぁ?」


一応、騒ぎになると困るから黙ってもらって置く方針にした。

一部の人には知られてもいいんだよ。

ただ、人が沢山いるところで身バレすると...ね。


「まぁいい。ほら、これが報酬金の金貨5枚だ。」

「あぁ、問題ないな。どうぞ。」

「あぁ、孤児院に届けておいて。」

「...また貰えないって言われますよ。」

「5枚くらいなら大丈夫でしょ。」

「...知りませんからね。」


どうせアルジーネさんは今壊れちゃってるし大丈夫...な筈。


「んで、そっちの嬢ちゃんは何モンなんだ?」

「秘密。」

「なんだいそりゃ。」


詰所の兵士さんが聞いてくるけど、適当に返す。

あ、あのロープ回収しとかなきゃ。


「すいません、そいつら縛ってるロープ回収したいんですけどいいですか?」

「ん?あぁ、じゃあこいつら牢屋にぶち込んでくるからまってな。」


そういって、4人を引きずって奥の扉に入っていった。

南無

しばらくして、戻ってきた。


「すまんが、鍵を渡してくれ。」


あ、忘れてた。

今回使ったロープは鍵付きのやつで、完全に人を縛る用のやつだった。

なんでこんなものが入ってたんだろう?


「はい、どうぞ。」

「おう、ちょっと待ってな。」


またしばらくして、今度こそロープを持って戻ってくる。


「ほい、犯罪者確保の協力あんがとよ。」


ニッと笑う兵士の人。

...ごめん、ちょっと顔が怖い。


「それじゃ、ギリーさん。私はもう戻りますんで。」

「戻る?」

「えぇ、城に。」

「あぁ...なるほど。わかりました、次お会いする時にできたらサインを...」

「了解、それじゃ。」


指輪に魔力を流して、イズールさんに合図を送る。

その後、こっそりと路地裏に入り、誰も見ていない事を確認してから転移した。



ーーーー



「...おいギリー。今あの子、城って言ったか?」

「ああ。」

「マジで何者なんだ?」

「俺からは言えん。ただ、お前も知ってる人物だ。」

「...?俺も知ってる?...いや、分かんねぇな。」

「だろうな。」


誰も思うはずが無い。

まさかあんな少女が英雄だなんて。

そう思うギリーだった。

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