勇者side かつての英雄
一方で、他のギルドメンバー達
「っ、ここは...」
「今一瞬光ったよな?転移結晶使った時みたいに...」
「全員無事か!?」
「くらくらする...」
「おぉぅ...」
それぞれが、それぞれの反応をするも全員無事のようで、安心した様に肩を下ろすガンド。
そして、安心した5人に声が掛けられる。
「突然の事で混乱していらっしゃいますでしょうが、どうかお話を聞いていただけないでしょうが、勇者様。」
「勇者...?」
「もしかして異世界召喚ってやつ?」
「え、まじ?」
ゲームに詳しいだけあって、その手の話も知っているようであったルスタが口を開き、アレンが反応する。
「王が直接話をしたいそうです。付いてきて頂けますか?」
「分かりました。お前達、行くぞ」
「おーっす。」×4
ーーーー
「面を上げよ、勇者達。」
謁見の間にて、王が言い放つ。
5人は顔を上げる。
そこには、鋭い眼光でこちらを見る壮年の男がいた。
「ふむ、ではまず名前を聞こうか。」
「俺の名前はガンド。剣士だ。」
「王の御前であるぞ!口をつつし...「良い」...失礼いたしました。」
(テンプレかよ...)
等と内心で思うルスタとアレン
「続けよ。」
「俺はルスタです。得意な武器は双剣です。」
自己アピールをしようと、得意武器を言うルスタ。
すると、いきなり謁見の間にいる全員がざわつき始める。
そして、恐る恐ると言った感じで王が口を開く。
「もしや、他の三名の名はアレン殿、シアン殿、レイミス殿では無いか?」
「えっと、そうですが...」
その瞬間、謁見の間にいる全員がわっと沸き立つ。
王も飛び上がりさっきまでの雰囲気はどこへ行ったのかというのか程喜んでいる。
「し、失礼した。伝説の英雄達を召喚できるとは思ってもいなかった為、少々取り乱した。」
少しして、取り戻した王が口を開く。
「英雄?」
「あぁ、伝説の英雄殿達ではないか。」
「?」
「もしや、記憶が失われているのでは??」
王では話が進まないと思った宰相が横から口を挟む。
「うーん、英雄って何したんですか?」
それに対して、アレンが質問をする。
「天から襲来した魔晶腐龍を討伐し、侵食された大地の浄化。大量発生したアンデッドを僅か1時間で全て倒し、果てには過去に出現した魔王すらも討伐した...と。」
宰相が語った内容には五人全員心当たりがあった。
何故なら...
(((((全部ゲームの中で俺達がやった事じゃねぇか...)))))
「と、とりあえずステータスを...」
好奇心を抑えられなくなった王が口を開く。
それに対して、宰相は呆れている。
ガンド達は、その言葉に反応した。
「ステータスが見れるんですか?」
「あ、あぁ。ステータスオープンと唱えれば見れる筈だ。......どうだ?」
「...おぉ、見れた。ゲームのまんまだな。あ、いや、ユニークスキル?とか言うやつが増えてるな。項目がかなり多いんだが...」
「ふむ、ではLvとユニークスキルを教えてもらえるか?」
「じゃあ、俺から。Lv.146がユニークスキルは『神精錬』だ。」
「146!?それに『神精錬』だと!?あれは、伝説でしか無かった筈では...」
王だけではなく、5人以外の全員が驚いている。
「んじゃ、次は俺、アレンね。Lv.139、ユニークスキル『星刻魔術』」
「せ、『星刻魔術』...」
「レイミス、Lv.143で、ユニークスキルは『神槌』」
「...」
とうとう、言葉が出なくなった様である。
「シアン、Lv.125、ユニークスキル『四極魔』」
「最後は俺だな。ルスタ、Lv.151、ユニークスキルは『龍舞の炎剣』」
「す、凄まじい強さだ...これなら...」
「あー、そのさ。俺らってなんで呼ばれたの?」
「はっ、すまない。その事を話していなかったな。
実はこの国の南に魔国アルスターと言う国がある。
魔国アルスターを収める魔王が近々攻めてくるという情報が裏を探らせている者から送られてきたので、我らだけでは太刀打ちできないと思い、助力を願う為、ガンド殿達を呼んだ次第だ。
どうか、力を貸していただけないだろうか。」
「いいぞ。」
「まぁ、そんな話だろうと思ってたしね。」
「そうだな。」
「本当か!国の全力を持ってバックアップをさせてもらう!心から感謝するぞ!英雄達...いや、勇者達よ!」
心から嬉しそうに話す王。
そこに、声がかかった。
「すいません、私から1つ聞きたいことがあります。」
「なんでしょうか?」
声を挟んだのは宰相だった。
「失礼ですが、もう1人の英雄である、『リンカ』殿は...」
「あっ...そういえば...」
「リンカは、俺達が集まっていた時には居なかったので、たぶん召喚出来なかったんだと思いますよ。」
「そうだったのか...伝説の六英雄全員を見る事が出来なかったのは残念だが、召喚出来なかったのなら仕方があるまい。」
「それでは、勇者殿達を部屋へと案内する。
頼んだぞ。」
「はっ、こちらへどうぞ。」
王がそう言うと、謁見の間にいた騎士達が5人を部屋へと促す。
「...」
5人の内4人が仲良く話しながら歩いていくのに対して、いつもは巫山戯た態度をとっているルスタがその時だけは何かを考えるように歩いていた。