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ここが変だよ なろうテンプレ(ステータスと鑑定を利用するファンタジー)

作者: さてはて
掲載日:2016/08/12

用語

プレイヤー(TRPGやゲームを楽しむリアルな人間) 

キャラクター(ゲーム内のキャラ)


なろうテンプレ(なろうファンタジー、異世界転生チート)について、特にステータス表記、鑑定に関する考察です。



■自身の能力を数値で把握する事を当たり前だと思いますか?



例えば一昔前(いや二昔か?)の有名なラノベ小説であるロードス島戦記。題材元はTRPGと呼ばれる<皆でだべりながらドラクエを実演しようぜ!>って遊びです。それを小説化したものがロードス島です。


TRPGはそれぞれのプレイヤー(例:田中くん)がゲーム中のキャラクター(例:戦士マリー)の立場になって、どう動くかを口頭で進めるものです。レベル、ステータスといった概念があります。一般傭兵はLV7相当、ゴブリンはLV5相当とか。INT,VIT,STRとかもあります。TRPG中の戦闘や行動はサイコロを振って判定しますがその値に補正をかけるのがステータスの値です。



でもね、小説としてTRPGを書いたとき(リプレイと呼ばれます)に「僕等はLV7のパーティだからLV5のゴブリンなんて簡単に倒せるはずさ」なんて台詞はまずないし、キャラクターがレベルの数字を理解し口にする事もないんです。


プレイヤー(田中くん)はレベルやステータスを理解し、それを参考に判断をするけど、ゲーム内のキャラクター(戦士マリー)はレベルという数字を意識する事はありません。勿論レベル差があるキャラクターに対し実力差を感じたり、ビビったりすることはありますがエッセンス、フレーバーです。


明確に「レベル差が5ある」と理解するには(なろうファンタジーで人気の「鑑定」みたいな)特殊なスキル(魔法)が必要です。そのスキルを使い「レベル差が5ある」をプレイヤー(田中くん)が理解したとしても、それをキャラクター(戦士マリー)が数字として理解・表現する事はありません。「圧倒的な差」とか「足元にも及ばない」「頭ひとつ抜けている」といった表現をするでしょう。


プレイヤーはレベルとステータスを見れても、キャラクターはその数字を見れないのが基本です。システムとしてステータスがある題材でさえ、小説化した際にはステータスは登場しません。


そしてこれらはゲーム中のキャラクターにもいえるでしょう。ドラクエで勇者が「レベル50超えたからラスボス倒そうぜ!」とかいいませんよね?それを判断するのは「プレイヤー」でありゲーム中のキャラクターは自身のレベルを数値として理解していないはずです。



ここで言いたいのは「なろう以前」のラノベにおいて、ステータス描写は一般的でないという事です。作中でレベルについて語るのはネタ・メタ表現のようなギャク的な表現が多かったと思います。



■鑑定が多くのなろうファンタジーに登場する理由


ステータスが自身の能力を明示するだけでなく、多くの場合「鑑定」とセットで敵のステータスを表示するのは書く側の都合です。


主人公が自分の強さ(ステータス)を理解し、さらに敵のステータスを理解し比較することで初めて数字による演出が可能になります。


筆者の技量が不足すると「レベル差が5ある強敵」を数字を使わずに表現することができません。相手が格上で強いことを文章でなく数字で示す方が簡単なので「レベル差が5、ステータスがほぼ倍だ、勝てる訳ない!!」と数字で示し緊張感を持たせようとします。


そんな訳でなろうテンプレでステータスと鑑定が標準装備なのは、書き手が簡単に手軽に書くためという理由が大きいのです。


ステータスがあった方が書くのが楽、じゃあステータス表示が一般的な世界観を作ろう!という流れが「なろうテンプレ」になったのだと思います。



■読み手側の都合


主人公が強くなっていく様を表現するにもレベルは便利です。「レベル3から5になった

」と書くだけで強くなったと伝わります。具体的にどんな風に強くなったかは伝わりませんが、どれくらい強くなったかはステータスの数字で確認できます。そこに想像力を働かせる必要はなく簡単に強くなったと理解できます。


また読み手側の「早く続きを!!」という要望もあります。あえて書き手が緻密な描写を行うよりもステータスの数字を並べて強弱を表現する手法を選び、スムーズな更新をしている場合もあるでしょう。


読み手が「質より量」を求めているのです。それに対応して書き手も「質より量」を選ぶケースも多いでしょう。



■結論っぽいの


書く方も楽だし読むほうも楽、WIN-WINですね


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