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聞こえてますか!?聖主様!(格好良すぎて聖主以外目に入りません)  作者: ユミグ


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どうしたんだろう?


どうしたんだろう!?


後ろからぎゅぅって…!お腹をぎゅぅっ…!って抱きしめて下さっております…はい。


抱きしめ返されるなんてなかったのに…!どんな事があってもその腕は微動だにしなかったというのに…!


告白!?まさか告白が届いたの!?やっと!?やっとなの!?私の気持ちちゃんと届いたのが今なの!?


「聖女様にご挨拶申し上げます」


はい、どうぞー。


貴族の人達がちらほらとやって来る。顔見せだから挨拶しておかなきゃいけないんだろう。


そんな事はどうでもいい!


レンがぎゅぅっ…!って!聞いて!聞いてよ!レンがね?ぎゅぅ…!


「先程の浄化をこの目で拝見させて頂きました」


大きな手がね?私のお腹に当たっててね?


はぁ…もう少し布の薄い生地にしてもらえば良かった…


「お力を存分に発揮出来ておりますか?何かお困り事などはございませんか?」


たまに、ため息だかが頭に当たって…それがもう…!もう…!


たまりませんね。


「我が領地に訪れる際は是非案内をさせて頂けますか?」


無意識!?無意識にお腹を擦ってますか!?さすって…!


襲ってもいいですか?襲われてもいいんですよね?


「んんっ…!聖女様はどのような婚姻をお望みで?」


そうだった。また忘れる所だった。

レンの望みはなんだろう?一夫多妻かな?それもいいよね!レンは常に愛されているのが似合うもん!


「淀みを発生させる者の側に居ると言うのは本当ですか?」

「あ゙?」

「ひっ…!い、いえ、失礼致しました!」

「クーパー」

「はい」

「なっ!?」


貴族の腕を後ろに捻って体を机に落としたクーパーはどうやらお勉強熱心らしい。色々と習得しているみたい。足も動かないように固定している。


「ヒナノ構いませんから」

「違うよレン、私は淀みを浄化する為に召喚された者。認識を間違われていたら正さなくてはならない。そうでしょう?」

「……はい」


淀みを発生させる人間なんて聞いた事がない。というかそんな存在は居ない。魔獣…魔物が森を荒らした結果が淀みに繋がるけれど、それでも魔物が淀み自体を発生する訳でもない。


「話せ」

「ひっ…!そ、その、噂が!聖主様が淀みを発生させているという噂があります!」


妬み嫉みもここまでくると鬱陶しいな。


「レン来て」

「はい…」


クーパーは貴族をそのままにしてくれている。本当にいい側仕えだ。


私はレンの手を引っ張って、顔見せの場である私の席から会場の真ん中に立つ。


「どうしたい?」

「どういう意味ですか?」


レンに問いた訳ではない。レンの側に居る煩い精霊に話しかけた。そこまで会話を理解している訳じゃないけど、レンの悲しみに気付いて怒ってはいる。


「食べて、そして内緒にしておくのよ」

「ヒナノ?」


金平糖を取り出すと煩い精霊が小さな瓶に入ってもぐもぐと食べ出す。


これは果実と魔力が混ざってる精霊の好物。


そしてこの瓶に可視化の魔法をかけると…


「精霊様…ですか?」


か弱き精霊も神聖さがあるらしく、跪く者も居る。もちろんそこまで強くはないから強制的な動きにはならない。


むしろ弱いからこそ、ここに居る人達は神聖さのみを感じ取るだけで済んでいる。


瓶を浮き上げて見えやすいようにしてから話し出す。


「この子、私が来た時から居ましたよ。レドモンド様のお側に、幼少の頃から離れず居たのでしょうね?この子の本来の形はもう少し強い精霊ですが、レドモンド様の事を気に入りこんな場所に居たからどんどんと弱り、今ではこんなにも小さい……ちなみにこの子、レドモンド様を気に入りレドモンド様のお側を離れなかったお陰で王都に淀みは少ないのですよ。王都で魔物が自然発生しなかったのはこの子とレドモンド様のお陰です。ああ、ちなみに、それでも淀みや魔物が発生していたのはお前たちが馬鹿なせいで魔力増長石?ですか?あの魔石のお陰でこの子が綺麗にしても綺麗にしても汚していくせいですよ。というか、なんですか?人の良し悪しに口を出すって本当に排他的ですね。そんなだから技術も魔術も赤ん坊なんですよ、人の顔を気にする暇があったら己を磨くかその腐りきった馬鹿で愚かな心を調教でもしてきなさい。ていうか、未来の伴侶馬鹿にした奴誰だよ?見てみなさいよ、このシュッとした横顔が最も美しく映える鼻と唇と歯が映し出すコントラストは最強、瞳は色気を漂わせ色香で世の中渡っていけそうな瞳、かみの…もごっ」


「お、おやめください、ヒナノ…心が持ちません」


私の口を抑えつけたレドモンド様の顔は見たこともないほど真っ赤で可愛いがすぎた…


ざわついている人達は放っておいて瓶から精霊を出してからレンに金平糖を渡しておく。


「これは…」

「内緒、煩い精霊が好きなモノ。あげる」

「あ、ありがとうございます…あ!」


瓶から1つ金平糖がなくなった瞬間に声を上げたレンは嬉しそうだ。


姿形は見えなくとも、“そこに居る”という証明は嬉しい事なんだろう。


そして…


「ずっと…ああ…懐かしい感じがしたのは貴方様だったのですね」


最近は弱々しくなってきたんだろう、なんとなく感じ取れていた力を理解したみたい。あの時の水の中のように。


金平糖はたくさんあるからそのうち感じ取れるくらいには精霊も強くなっているでしょう。


「ヒナノ…ありがとうございます」


こほんこほんっと咳をしてからハリセンを取り出して…


パァァァァァンンンッッッ!


小気味いい音を鳴らせば静かになる。


「淀みを発生させる者など存在しない!理解した奴から頭を下げろ!」


クーパーに目で合図すると、男を拘束から解いて、男より先に頭を下げた。


そしてどうしてかレンも下げた…レンはいいんだよ?


1人残らず頭を下げたのを確認し終えたら…


「次レンの悪口が私の耳に、そして私に仕えている者の耳に入ってみろ。即座に拷問してやる」


これで大人しくなればいいね?


「レン抱っこ」

「……くすくす、はい…私も抱きたいです」


その言い方は襲われても流石に文句言えないよ?大丈夫?


「………」


ああ…自分の言葉を理解しちゃったのか固まっちゃった…


「聖女…助かった」


思うんだけど、王まで頭下げなくても良かったんだよ?この国の王は君だからね?君が“正しい”と言えばなんとかなるんだからね?


「価値観を変えたいなら子育てから植え付けておけ」

「ああ…甘かったな」


ベンジャミンが心配してるからこの辺で。


あれ?


あんまり口出ししない聖女どこ行った?


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