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「顔見せを予定しているそうです」
団長が罰を下さいとか言うから…!
あの日はレンの時間が空いた貴重な日だったらしく、デートの日取りはまだ決まっていない…
私の顔見せがあるからなのか、余計に忙しくさせちゃってるのか分からないけど…!デートの日取りが決まらないまま、聖女の顔見せが決まったらしいです…
昼間に何処かの窓から平民達へ手を降って、その後にお茶会という名の社交と顔見せが貴族達へと行われるみたいですよ。
我慢出来ずにレンの執務室や部屋や訓練に来たレンに手取り足取り教えるという名目でお話しは出来ているけど…足りない…!足りないよ…!
レンも少しずつではあるけど、私と会話してくれるようになったけど…!
「浄化の範囲はこちらです」
私が召喚されて二月ほど経った今、周辺の浄化はされてきている。
少ないけど、ほんの少しだけどね。
なんとなーく体感した今、顔見せをしてすぐに討伐へと出る予定らしい。
「浄化を教わる者は聖主様ではなくなりそうです」
「なんで」
「本神殿の聖主様が遠征する。というのは、受け入れられにくいかと」
遠征?どこに行くの?
「意味が分からない」
「最短の目的地には三月ほどかかります」
「移動手段は」
「馬です」
凄い………
そんな移動手段使ってる人達まだ居るんだ…
確かに小説や歴史などを見てみると馬を使ってはいたけど…そういう流行りとか、昔の流行りが今また流行ってるとかそういう意味かと思ってた。
「顔見せの前に話」
「かしこまりました」
「ベンジャミンも」
「存じております」
討伐に必要な事柄を書き記してクーパーにも伝えておく。
なんとなく気になってクーパーの顔付きを見てみる。
「「…」」
成長してるなぁ。早いねぇ。
「!」
「?」
レンだ!レンが来てくれてる!足音がするよ!レンが部屋に訪ねてくれる足音が聞こえる!今扉の前に…!
コンコ……
「レン!」
「っっ〜………」
扉の前に転移してバタンッと開けた私の目の前にはレンが…!
今日は会えないと思ってたの!だから嬉しい!
「えへへ」
「………」
お腹に顔をつけて背中に手を回して、匂いもレンの肉体も思わず堪能しちゃう私に…
「あー………悪ぃな」
ベンジャミンの声が聞こえたから横を向くと王まで居た。
なんだ。レンが訪ねてきてくれた訳じゃないんだ、なーんだ…ちぇ…
「レン抱っこ」
「………」
拗ねたから今日は絶対に抱っこしてもらえるまで動かない!
「やめてあげろ、弟が死ぬ」
嫌だ!
王の願いでも聞きたくない!
だってレンが私に!わざわざ!会いに来てくれた!なんて気持ちにさせてくれちゃったから絶対絶対離れない!って、ぎゅぅぎゅぅと抱き着いてた。
「っっ〜、あ、あ、あの、あの、」
「抱っこじゃなきゃ嫌」
「っ、そっ!っっ〜……!は、はい……!」
「!」
抱っこしてくれるの!?
一歩後ろに引いて手を広げてみる。
「きゅぅっっ……」
可愛い鳴き声をしたレンに構わず、ずぅぅーっっっと…!待ってた。
ベンジャミン達はさっさと部屋に入ってお茶してるみたいだから気にしなくていいよね?
「し、し、失礼、しま…す……」
「失礼じゃない」
「っっ、は、はい」
意識が戻ったレンは屈んで私を抱き上げてお姫様抱っこしようとしてたから1度浮いて首元に顔をうずめて待ってたら片手で私のお尻を持ってくれました!
「きゅ……きゅ……」
もう駄目だ…我慢出来ない…もうこのままがいい!ずっとくっついていたい!もう駄目だ!
我慢した!もうたっぷりした!好きになってくれるように手紙も出した!隙あらば突撃して、好きなところもたくさん言ってる!
「伴侶になりたい………」
「きゅっ!?」
はぁ………
私は一体いつになったらレンの伴侶になれますか?
おずおずと歩き出したレンはソファに私を置こうとするから絶対離れない…!って首に抱き着いてたら、おたおたしながらソファに座ったレンの膝に座らせてもらいました!
「ヒナノ………」
嫌だ!王の話が終わったら帰っちゃうんでしょ!?聞きたくない!
「ヒナノ、討伐について話が纏まった」
無視してるのに話してくる…!意地悪!!!
「レドの同行は賛成出来ない」
「クーパー」
あとはクーパーにお任せしてレンといちゃいちゃしておこう!
「レンお腹空いてない?」
「あ、あまり、その、い、今は、」
あーん、したかったのに…
「小隊の人数でしたら転移出来るとヒナノ様は仰っております」
「「なっ!?」」
あ、驚いた顔可愛い………
「ちゅ」
「少し大人しくしていましょうか」
「はい!」
頬にちゅーしたのは怒られなかったけど、大事な話し合いらしく私の両手首を軽く持ってそんな事を言うレンはもう最高です………
「転移は何処まで出来るのですか?」
「浄化しなければならない場所まで」
「そんなに………」
こっそりとレンと恋人繋ぎしても顔は赤くなるけど固まらない。
「負担はないのか?」
「それでしたら私も半分を補う事で負荷はかからないかと」
「クーパーが?………ヒナノの側仕えと護衛が強くなっているのは報告で受けていたが…」
「ヒナノ様のお近くに居ると強さが変わるのですか?」
そんなに見つめられる事、今まであったかな?もうこれはちゅー待ちでは…!?
「………私から答えましょうか」
クーパーが私に問いかけてくる…そうだよね、レンには私が回答したいって分かってるから…
えーと…えーと…なんて言ってたっけ?
「………私から失礼致します。毎日訓練をしていますので、自然と強さは上がります」
そんな事を聞かれたかも…
「ヒナノ様には」
「ヒナノ」
「…」
「…」
そろそろ敬称も要らないんじゃないかな?
「「…」」
ヒナノって呼んで欲しいです。
「ヒナ………ノ………には、どれほど我が国に幸福をもたらされているのか………我々に出来る事は………」
「国にして欲しい事ない」
「そう……そうですよね」
幸福というか、神からのお願いを聞いているだけなんだけどね。
「私レンが好きなの」
「あ、あの、あの、」
「だからレンには好きになってもらいたいから頑張ってる」
「そ、そ、そ、」
私はこの国のような可愛らしい?性格を持ち得ていない。だから、突撃してこういう性格だよー!って分かってもらう為にお話してる。
もちろん会いたい。が第一だけど。
「……話を戻していいか?」
王は邪魔ばかりする!
「小隊の転移が出来るのだな?時間はどれほどかかる」
「転移は一瞬です」
レンから話の続きを聞きたかったのに……
はっ…!としたレンは真剣に王の話を聞き出しちゃったよ………
「核を取り出し消滅させる時間は7分、その後必要な時間は大体10分、前後の時間は小隊の能力によって差が大きくある」
「それなら問題ないな………」
そうでしょ?レンも一緒に行けるよね?小隊を組んでのシュミレーションも混じって参加してるからすぐにでも行けるよ!なんなら今からでもいいよ!
「転移が使えるのなら、数日後では駄目なのですか?イメージしずらいですが、しばらくたってから教わる方がいい気がするのですが…」
「核が破壊された後の方が体感出来る」
「そうなのですね」
ふんわりと笑うレン初めて見た…
「可愛い」
「っっ〜」
核を維持する。という事を理解してもらえば淀んだとしても綺麗になるだろう。
とりあえずはね。
「他に準備はあるか?」
「後世に残す為の討伐方法や転移陣などはこちらに書かれております」
クーパーが取り出した説明書を読みたいんだろう…
しょうがない…膝の上から退くよ…
ベンジャミンは後で見ればいいと思ってるからベンジャミンとお話でもしておくよ…
「夜着は?」
「ここで言うな!」
「なに?夜着とはなんだ?」
私が作った夜着は王に見せてないらしい。
「ベンジャミンに似合う夜着作った」
「見てない!知らないぞ!ベンジー!」
「っっ〜!あんなもん着れるかよ!」
着れるよ。絶対に似合う。だってベンジャミンの為に誂えた物だもん。
「酷い…私が作った物を…あんな…」
「そ、そういう事じゃねぇ!」
「変だった?」
「変じゃねぇよ!綺麗だ!」
「じゃぁ今日の夜着れるね」
「あ゙!?お前…!」
「ふふん、ベンジャミンが恥ずかしがって着たら、むぐっ!」
口を塞がれた。とても真っ赤っ赤なお顔で。
ベンジャミン可愛い!
「黙ってろ!」
「仮にも聖女だベンジー…」
「……」
「ぷはっ!ベンジャミンの肩からすらすらと流れ、むぐっ!」
「俺には聖女じゃなく友達だからいいんだよ!」
「ベンジー…!良かったな…!」
「っっ〜!どいつもこいつもうるせぇな!」
これで夜はばっちりだ。
ベンジャミンも喜んでくれる!絶対!
「浄化については騎士団が訓練して動きは分かってんだろ、レドの同行も問題ねぇから行くぞ」
「む?しかしせっかく」
「いいから来い!レドはデートでもしてろ!」
なんて友達思いなの!?ベンジャミンありがとう!
それならレンの膝に乗るよ!
「っっ〜!」
今日は時間がありますか?デート出来ますか?その後は伴侶になれますか?




