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聞こえてますか!?聖主様!(格好良すぎて聖主以外目に入りません)  作者: ユミグ


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レンの返答をいつまでも待ちたかったけど、待てるけど、喜んで待てる。


「レン、呼吸」


はっ…!?と我に………返ってくれないな。

呼吸しないと死んじゃうよ?大丈夫かな?息止めて………いつまで止められるのか気になってきた。


立ち上がりレドモンド様の左手を右手で恋人繋ぎして見上げる。少し浮いた方がいいかな?その方がよく見える。うん。


「「…」」


クーパーが視界の端に見え、その手に持っているのはハリセン。もしかしてそれでレンを起こそうとしてるなら止めてくれる?


「「…」」


理解してくれたみたい。

ハリセン便利だから教えたけど、レンには手を出しちゃ駄目と言っておくか。


「ヒナノそれ以上はやめてあげろ、弟が死ぬにはまだ早い」

「淀みにくくするやり方を覚えるのはレンでいいと思う」

「………欲望で言っているな?」


欲望のなにが悪いの?レンと一緒に居られる機会なんて、いつ訪れるか分からないんだから、隙があったらとことん詰めるべし。


「それも含め話し合いをしなければならない、また沙汰を出す」

「陛下、ヒナノ様は手合わせを1日でも早くと仰っております」


クーパーは救世主にもなれるようだ。


あ、息した。


………


まだ固まってはいるけれど、息してる。


「………会議が終われば団長を向かわせる」

「デートの日取りを取り付けられなければ戻れないとも仰っております」

「………いつそんな事を言っていた?」

「今です」


クーパーの言葉にうんうんと頷いておく。手合わせで会えるかもしれないけど…“かもしれない”なんて状況は嫌だ。確実に会える日が欲しい。


「ふっ、数日中には整えておける」


絶対?絶対だよ?信じるからね?数日中に会えなかったらレンの寝所に潜り込む……いいかもしれない……忍び込むのは今日からでも?いっそ既成事実を…


あ、今ちゅーしてもいいですか?気持ちはあとからついてくるかもしれないから今しても…


「ヒナノ」


レンが可哀想だもんね…さすがに無理矢理はやめておくよ…


王が止めなかったらあとちょっとでちゅー出来たのに…


「レンまたね?」


放心状態のレンに必ずデートしようね?という意味を込めて頬にちゅーしてみた。


「きゅっ………」


可愛い鳴き声だ………


「ヒナノ…レンには耐性がないからそれ以上はやめてあげろ」


放心状態だし歩かなくてもいいか、と思ったから浮いて帰る事にした。





そういえばと、部屋に戻った私はこの国での婚姻を思い出した。一夫多妻や、多夫一妻や、一夫一妻制度があり、男が7割女が3割だから当然男同士も多いこの国では誓いの際には選択出来るようになっている。


他を迎えるのか、私だけなのか。


デートでそれも聞いておこう。


他の人を迎えるなら身辺調査をしておかないと、あとから面倒になっても嫌だ。主にレンの心が傷付いちゃったら嫌だから、そこはしっかりと私が調べ、問題があれば解決しておこう。


憂いはない方がいい。


「1時間後に騎士訓練場へ向かいます、神官と聖主様も同じ頃に向かうそうです」


クーパーがノーランを練習台にしながら今日の髪型を勉強してる時に扉が叩かれ、団長が伝言を残していったようだ。


私に伝えるとまたノーランの髪をイジってる姿は…微笑ましい。


猫同士のじゃれ合いって可愛くて目の保養になる。


美醜に厳しい認識を持っている人達が殆どだから私がレンを好きという事実に戸惑いもまだ多いけど側仕え達は受け入れている。


主にクーパーが協力的だから。


「ヒナノ様、核の浄化に私もお供します」


そろそろ手合わせの時間なのか、クーパーが手を止め片付け終えてから話しかけてきた。


「無理」

「っっ、私では不足でしょうか」

「逆。クーパーが居れば自分達の弱さに気付けない可能性がある」


クーパーは魔力操作に長けている、魔力量は並だが、細やかに、そして的確に魔法陣へと魔力を流せるから最小限の量で済んでしまう。


ノーランを観察し、周りの護衛を観察してみたけれど…


時間がかかる。


そして、今この国では多分クーパーが1番強いだろう。その強さがあれば、なんとかなってしまうかもしれない。


それを自分達の実力だと勘違いされても困る。


「ありっ、ありがとうございます」

「まだ弱い」

「はい!」


そのうち嫌でも行く事になるだろうから、その時まで待っててくれればいいよ。


「底上げをさせます」


どうしても着いてきたいのか…


そんな事を言い、決意した顔で時間だからと騎士団の元へ案内するクーパーは優秀だ。




*********************************




「レン!」

「っっ、は、はいっ」

「来てくれたの?」

「くっ、んんっ…!……く、訓練を、て、手合わせを体感したく…」

「その服も似合ってる、かっこいいね」

「は………」


手合わせの為に…なんて聞きたくなくて遮るように服を褒めたら固まっちゃったレンの手を繋いで待ってみる、王も居ないから止める人なんて存在しないだろうし。


訓練場に着いたらレンが厳しい顔で団長と話してた、そんな顔もかっこいいけど服装も変わってて、それもかっこいい。


神官服には違いないんだろうけど、動きやすく戦闘に適した服装はレンに似合ってる。


レンの為に誂えた物みたい。


「クーパー、レンになにか1つ行動を起こしたら許さない」

「…失礼致しました」


またハリセンを出したクーパーが見えたから注意した、そういえば伝えてなかったや。


「クーパーがなにかしましたか?」


心配そうに聞いてくれるレン…初めて何かを問いかけられたかも…


「レンにハリセンは駄目って伝えたの」

「ハリセン…?」

「こちらです、このように…」


スパァァァァンッッッ!


と、自分の手に当てて音を鳴らしてる。


小気味いい音だよね、相変わらず。


「何処から出しました………?」


ん?


「ヒナノ様が直接お教えして下さるそうですよ」

「クーパー、空間収納って…」

「存じ上げません」

「…」


騙された………


いや、勝手に騙されてただけだけど…


空間収納はどの世界でも基本だ。


知らないなんて滅多にない。


あまりこの国の発展に協力しないようにと心がけてはいたんだけど………


“このような魔法陣は見たことがありません!”とか、“素晴らしい魔法の使い手です!”だとか、“すぐに王様にお伝えせねば!!”とか、言うか驚くかすると思うでしょ?


それなのに、この子は…“不慣れでして…良ければヒナノ様の側仕えとして恥ずかしくないようにお教え願いますか?”みたいに、ちょっと不慣れなだけだよ?みたいな言い方するからてっきり珍しい訳では無いと思ってた…


「レンには全部私が伝える」

「あとはお任せ下さい」

「クーパー」

「はい」

「いい子ね」

「っっ、ありがとうございます!」


諜報として働いた方がいいんじゃないかな?騙せる才能も能力もあるよ。


「手合わせが先?レンに抱っこしてもらいながら魔法を教えるのが先?」

「きゅぅっっ……!」


ついでに伴侶になってくれませんか?それと夜ご飯も一緒に食べて、良ければ一緒にお風呂へも入りませんか?


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