第一章:はじめまして
私が、祖父との思い出でいちばん心に残っているのは7歳の頃です。
「じぃじ、だっこ、だっこ!」
「おっ、いいぞ よっと」
私の名前は竹内莉愛。
昔からずっとじいじっ子で、くっつきまわってました。
「じぃじ、また来るね! ばいばい。」
「またおいでよ。待ってるね。またね。」
その翌年、私は祖父に教えてもらいました。
「またね」の意味を。
「莉愛いいか? 人に会った時の帰りには、またね って言うんだよ。」
「どうして? なんでばいばいじゃだめなの?」
「またねって言葉はね、また会おうねって意味なんだよ。次会う約束をするの。」
「やくそく?」
「そう。約束。家族だけじゃないよ。友達、恋人、これから先に出会う人。大切にするんだよ。」
「わかった。」
「莉愛偉いな。優しい子に育つぞ。育ててあげる。」
そんな優しい祖父は、5年後に倒れてしまいました。
その時から、祖父は変わってしまいました。
体は不自由になってしまい、呂律もままならなくなってしまいました。
それでも、祖父は会った帰りには必ず
「またね。またおいで」
そう言ってくれました。
そう。あの時も。
次回:最期の挨拶 最終話になります。




