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「エレノア結婚おめでとう!」ルシルはエレノアの両肩をポンポンと叩きながら言った。


「え?!」


「あれ?例の薬師との結婚が決まったんじゃないのか?」


 エレノアが戸惑っているとリネットは「そうなのよ!」と言いながらエレノアの頭を撫でた。


「王家の女性陣と女性騎士たちはその話題で持ちきりだぞ。」現在ルシルは王太子妃殿下に仕えている。


「ほんの少し前に王子妃殿下に話しただけなのに、伝わるのが早いわね。」


「…」


「何だ?不満なのか?」


「えっと…こんな簡単に結婚が決まってしまうとは思ってなく…気持ちが固まっていないというか…何と言ったらいいか…よくわからないんです………それに…もしかしたらヴィンセント様も私と同様に恋人同士になったら結婚しなくてはならない事を知らないかもしれません…」




「結婚は勢いが大事だぞ」


 後ろから声がするので三人が振り返るとそこには女性騎士団の団長であるブレンダが立っていた。


「「「団長!何故こちらに?!」」」三人はほぼ同時だった。


「噂を聞いて確かめに来た。それにエレノアはその薬師の筋肉が好きなのであろう?ならば問題無いのでは。王子妃殿下のお墨付きでもあるしな。」


「王子妃殿下の…?」エレノアは言われた事が理解出来ないでいた。


「薬師の兄の妻は王子妃殿下の妹君であられる。」


「え…?」


「義妹が出来ると喜んでいたそうだぞ。」


「…」(…あの方が王子妃殿下の…言われてみれば似ているような……)


「エレノアはどうなんだ?」


「…急な展開で考えが追いついていないのです…」


「そんなに複雑に考える事ではない。告白されたのだろう?」


「…はい。」エレノアは真っ赤になって下を向いた。


「で、エレノアも薬師の事が好きなのであろう?何せ誰にも見せたくないくらいだしな。」ブレンダは口角を上げた。


「…ちょっ!それはっ!」


「好き合っている者同士ならば何ら問題ない。見ず知らずの貴族の家に嫁がされるよりマシなのではないか?」


「…確かに。でもまだ結婚は早いです!」


「ならば早々に婚約を結ぶがいい。私が保証人になろう。」団長であるブレンダは現役の騎士であり伯爵家に嫁いでいるため貴族である。保証人になれる身分を持ち合わせていた。


「…ありがとうございます。」


「やった!決まりね!!エレノアの婚約式の支度は私に任せて!」リネットの趣味は休日に婚約式や結婚式の花嫁の支度の手伝いのボランティアをしている。


「…おそらく式の類は一切行わないと思います。」


「えっ!そうなの?!エレノアがお化粧してドレスを着たら凄い事になっちゃいそうなのに〜!」


「まぁこればかりは相手方の意向もあるだろう。」


「ですね。何せ薬師殿は人が苦手だと聞いた事があるからな。」ルシルは頷きながら言った。


「もしする事になったら言ってね!全力でエレノアを美しくするから!」


「…はい。」押しの強いリネットに圧倒されたエレノアはつい返事をしてしまった。





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