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「ヴィンセント様!距離が近すぎます!」エレノアはぐいっとヴィンセントを押し返すが全く歯が立たない。


「先程、エレノア殿は仲良くしてくれると言いましたよね?物理的に距離が近いのも仲良くなるのに必要なんですよ。」


「え?そうなんですか?」


「ええ。」


(…ヴィンセント様が仰るのであればそうなのかな…)



「では、仲良くなるのにこちらも受け取っていただけますね?」ヴィンセントは言い終わらないうちにラピスラズリのチョーカーをエレノアの騎士服の上から首に着けた。



「わ!ありがとうございます。とても綺麗……何だかヴィンセント様の瞳の色と似ていますね。」


「実は…お揃いのデザインで私は翡翠のチョーカーにしました。」ヴィンセントは胸ポケットから取り出しエレノアに見せた。


「これも素敵ですね。」


「エレノア殿の瞳の色と同じですよ。」


「…言われてみれば似ているかも。」


「私に着けてくれませんか?」ヴィンセントはシャツのボタンを外し襟を開いた。


(わ!首の筋が凄い!首にも筋肉が付くんだ。)


「ははっ!」


「…あ…」


「どうぞ好きなだけ見てください。」


「……ありがとうございます。」


 真っ赤になったエレノアはそそくさとソファに腰掛けたヴィンセントの後ろに回り、手渡されたチョーカーを着けている。細かい作業が苦手で、苦戦しながらも何とか革紐に付いた留め具をはめた。



「ふぅ。出来ました。」


「ありがとうございます。これで私たちは恋人同士ですね。」


「えっ…恋人同士?」


「ええ。お互いの色を身に付ける事は恋人同士であり、また仲が良いという意味なんです。」


「…初めて知りました。よくわかりませんが……恋人同士になるのは簡単なんですね。」


「まぁこれから色々お教えしますよ。仲良くしたいですからね。」


「色々…。」


「あとはお互いの希望を伝え合いましょう。」


「希望?」


「ええ。一緒にやりたい事とかやって欲しい事など言葉で伝えるのです。」


「ヴィンセント様は何かありますか?」


「私は…それよりも先に女性の望みを叶えるのが恋人同士の決まりですのでエレノア殿からどうぞ。」


「そうなんですね…色々あるんですね…私…常識知らずですみません。」


「構いませんよ。」にっこり微笑んだヴィンセントは

『そんな決まりなんて無いけどね』心の中で呟いた。


「えっと…私はヴィンセント様と一緒にやりたい事は…一緒に料理をしたり、美しい景色を見に行ったり、薬草の種類を教えていただきながら収集をしたり、あと……腕の筋肉を触ってみたいです。」


「全て叶えられますね。筋肉は腕だけでいいのですか?」ヴィンセントは口角を上げて言った。


「!」


 真っ赤になったエレノアは下を向き、恥ずかしがりながらも「腕だけではなく他の筋肉も…触ってみたいです………それと……私以外の人に筋肉を触らせないで欲しいです…。」消え入りそうな声で呟いた。



 素直になったエレノアはそれはそれは可愛らしかった。



「そうだね、誰にも触られないように気をつけるね。この体はエレノア殿だけのものだから。」


「ヴィンセント様!その言い方はおやめ下さい!」さらに真っ赤になったエレノアは思わず叫んだ。






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